ベテランならではの吹き替えを堪能!池田昌子&谷育子&久保田民絵の海外ドラマ吹き替え
ここ最近、新型コロナウイルスで世界中がたいへんなことになっています。
皆さん、大丈夫ですか?
私といえば、仕事が忙しく更新の間隔が空いております。
ドラマ視聴もなかなか進んでいません…。
いろいろなことが日常に戻る日が早く来ますように。
というわけで(?)今回は少し趣向をかえてみました。
皆さんオーバー75のベテラン女性声優さんをピックアップしてみました。
エレメンタリーで池田昌子さんの声と再会!
池田昌子さんの吹き替えで有名なものは、
●『エースをねらえ!』お蝶夫人こと竜崎麗香
●『銀河鉄道999』メーテル
●オードリー・ヘプバーン
あと、お茶の綾鷹のCMのナレーションなどなど。
(↑右の巻き髪がお蝶夫人、左は主人公の岡ひろみ。midsyouwaより)
どのキャラも上品・優雅・美しい。
それが池田さんの声のイメージ。
もう〜大好きな声。
特に子ども時代に観た『エースをねらえ!』お蝶夫人と『銀河鉄道999』メーテルはあの池田さん以外の声なんて考えられない。
お蝶夫人こと竜崎麗香は高校生とは思えない言葉遣いと優雅な身のこなしと超エレガントな巻き髪、そして他を圧倒するテニスの実力。
主人公の岡ひろみなんてどうでもよかった私。
高校生とは思えないお蝶夫人に心奪われ、中学でテニス部に入部した私…、共通点は1つもなし。
そしてメーテル、超ミステリアスなスレンダー美人。
ずんぐりむっくりの鉄郎と銀河を旅するメーテルのそれは美しくて優雅でかっこいいこと。
中学時代、イラストの上手い友だちに下敷きにメーテルを描いてもらったなぁ…、とっとけばよかった。
モーランドをスカウトするゾーヤ・ハシェミ
(↑ゾーヤ・ハシェミ。)
しばらく忘れていた池田昌子さんの声と再会したのは『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』。
なんて意外な場所での再会。
それまで海外ドラマでの池田さんの吹き替えの記憶がない私。
声を聞いたとたん「メーテル!!」とすぐわかりました。
たぶんあの頃から何十年も経ってるはずなのに声に変化なし!奇跡!!素晴らしい!!!
池田さんが登場したのは『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』のシーズン4最終話24話の「最後の死闘」。
シーズン4といえば、主人公シャーロックの父モーランドが登場し、シャーロックと父との確執やモーランドとジョーンとの腹の探り合いなどとても面白いシーズンです。
池田さんが吹き替えるのはゾーヤ・ハシェミ。
このゾーヤ・ハシェミ、シャーロックの宿敵モリアーティの犯罪組織の幹部。
シャーロック、モーランド、ジョーンがハシェミを尋ねると、シャーロックの自宅に爆弾を仕掛けたことや、犯罪組織の幹部ということもあっさり認める彼女。
現在その組織のトップに立っているのがヴィクナー、表向きは経済学を教える教授。
ハシェミはこのヴィクナーが気に入らず、新たなトップとしてモーランドをスカウト。
さてモーランドはどすうるのか?というのが24話の大まかなあらすじです。
ハシェミはヒジャーブをまとったスリムで知的な大人のイスラムの女性。
で、口を開けばメーテルの声。
池田さんの吹き替えたキャラが犯罪組織の幹部という意外性でしたが、声のおかげですばらしくエレガント。
でもそれだから怖さも倍増。
上品な顔の裏に隠されたもうひとつの顔も見たかったのですが、そこまでは描かれていませんでした。
私の中ではゾーヤ・ハシェミは池田さんの声で3ランクくらい存在感とエレガント度と魅力がアップしたキャラ。
もし機会があればぜひ観て欲しいエピソードです。
現在(2020.3.28)81歳の池田さん、まだまだ海外ドラマで声を聞きたい声優さんのお一人です。
ハドソン夫人&マデリン・ウェスティンの谷育子さん
おちゃめな家主、SHERLOCKのハドソン夫人
(↑センターを陣取るハドソン夫人、他主要メンバー。bbcより)
谷育子さん、こちらもベテランの声優さんです。
まず思い浮かんだのが、現代のロンドンでシャーロック・ホームズが活躍する『SHERLOCK』のハドソン夫人。
主人公シャーロックが住む「ベイカー街221B」の大家さんで、よく登場する人物です。
変わり者のシャーロックの世話を焼きつつ「家政婦じゃない」という彼女。
夫は犯罪者でそのことでシャーロックと知り合ったよう。
ハドソン夫人は、とにかくかわいい。
あのシャーロックとある意味互角に渡り合える度胸と怖いもの知らずな感じ、なのに見た目は元気なおばあちゃん。
相手がシャーロックだろうとなんだろうと自分を貫くかっこいい女性でもあります。
でも本人にそんな自覚はないだろうし、自分を卑下するでもない超自然体のハドソン夫人だからシャーロックも彼女を大切にするんだろうと思います。
ハドソン夫人、夫が犯罪者だったり、どえらいスポーツカーを所有してたり恋もなかなかお盛んなど、ミステリアスなところも。
でも、これも本人はそんなつもりはなく、自然にしてたらこうなっちゃった感が見えるのが高感度高い理由かも。
石塚理恵さんの投稿でも書きましたが、ハドソン夫人とはモリーも誘って、シャーロックへの愛ある悪口で盛り上がりたいです。
片手にタバコ、バーン・ノーティスのマデリン・ウェスティン
(↑マデリン・ウェスティン。burn_notice_officialより)
もう一人思い出したのが『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』のマデリン・ウェスティン。
『バーン・ノーティス 元スパイの逆襲』はある日突然 CIAをクビになった主人公マイケル・ウェスティンが、自分をクビにした人間を探しつつ、困った人を仲間たちと助けるというストーリー。
谷さんは主人公のマイケルの母マデリンを担当しています。
このマデリン、ハドソン夫人のようなチャーミングキャラではなく、タバコをスパスパ吸いながら何か困ったことがあると息子マイケルを呼びつけるというタフなママ。
マイケルのせいで何度も家や命を狙われますが、なんだかんだいいながら息子の味方をする優しさも。
普通の母なら息子に「どんな仕事をしてるの?」だの「結婚は?子どもは?」などあれこれ聞いたり世話を焼いたりするのに彼女は基本ノータッチ。
息子は息子、私は私というとっても自立した女性。
でもなんか問題があったときは即マイケルに電話、元凄腕スパイのマイケルもママからの電話は「またか…」と辟易。
ママに頭の上がらない息子マイケル、まぁ優しいのはいいところだけど、結婚したら大変そうな男ですね。
谷さんの声はどちらかといえば「少々ガサガサ系」。
だからハドソン夫人の無邪気なのにミステリアス、マデリンの肝が座ったママ、どちらもいけるんでしょうね。
そうだ、『デスパレートな妻たち』では、詮索好きなおばあちゃんカレン・マクラスキーを担当してましたね。
今年(2020年)で81歳の谷さん、こちらもまだまだ海外ドラマで声を聞きたい声優さんのお一人です
テイラー大統領&アリス妃&エリース・ヴォーゲルソングの久保田民絵さん
24のアメリカ初女性大統領アリソン・テイラー
(↑アリソン・テイラー大統領とジャック・バウアー。24scenesより)
主人公ジャック・バウアーが24時間全力でテロを阻止する『24 -TWENTY FOUR-』、私はシーズン1と7というイレギュラーな観かたをしています。
久保田民絵さんはリデンプションからシーズン7〜8で登場するアメリカの大統領アリソン・テイラーを担当しています。
大統領ですから、リーダーシップもカリスマ性もある女性。
でも地位を得た女性にどこか不幸がただようのはなぜでしょうね?
ドラマだとどうしてもそういう描かれ方になってしまうとか?
ハキハキしたものいいに落ち着いた声のトーン、久保田さんの声はとても落ち着きます。
が、しかし『24 -TWENTY FOUR-』は常にハラハラドキドキ、テイラー大統領はいつもテロとの交渉に頭を悩ませています。
そして、家族の問題にも。
息子ロジャーの自殺に納得がいかず、家族を無視して独自に調べる夫・ヘンリー。
そして母のため、自分のためには汚い手も身体も使う娘・オリヴィア。
どっちもテイラー大統領の足を引っ張るんですよ、特に娘のオリヴィアにはかなりイライラします。
そんな問題ありの娘に絶大な信頼を寄せる母のテイラー大統領。
娘を自分の近くにおいて補佐をさせますが、そこでオリヴィア大暴走。
暴走した娘を大統領として罪に問うのか、それとも母として見逃すのか悩むテイラー大統領。
ジャック・バウアーがいかにテロと戦うのかが『24 -TWENTY FOUR-』の一番の見どころですが、家族の問題も大きなポイント。
『24 -TWENTY FOUR-』の設定は非現実的ですが、ジャックと娘キムとの関係や、テイラー大統領と夫や娘とのすれ違いなど、家族の問題はどこにでもある不変の問題ゆえに、見てて共感できる部分も多いと思います。
そして、久保田さんの吹き替え。
冷静な大統領の顔と、家族のことになると我を忘れる母の顔の使い分けにぜひ注目を。
ザ・クラウンのフィリップ殿下の母アリス
(↑1枚目が本物のアリス、2枚目がザ・クラウンのアリス。thecrownnetflixより)
在位70周年を迎えたイギリスのエリザベス女王の王女時代から描いたドラマ『ザ・クラウン』。
現在ネットフリックスでシーズン4まで配信中です。(2022.06.25現在)
久保田さんが担当するのはエリザベス女王(山像かおり)の夫でエディンバラ公フィリップ殿下の母アリス。
イギリス貴族の娘として生まれ、ギリシャ王子と結婚、のちにイギリス政府の手助けでスイスへ亡命。
その後、心を病み幼い息子フィリップと引き離され闘病生活に。
回復後はギリシャに戻り慈善活動に身を捧げたアリス。
その後、軍のクーデターにより息子とエリザベス女王が住むバッキンガム宮殿で暮らすことに。
ここまでのアリスに対する息子フィリップはけっこう冷たい。(フィリップはもう中年にさしかかっているのに!)
心を病んで精神病院に入った母、自分を守ってくれなかった母に対してどう接していいかわからないような息子フィリップ。
バッキンガム宮殿に母を呼び寄せてからも距離を置いたフィリップ。
そんなアリスとフィリップの関係を好転させたのはフィリップの娘アン王女。
祖母アリスのユニークで王族らしからぬ庶民の目線を持った彼女のいいところを世間に知ってもらおうと、ちょっとしたことを仕掛けます。
それがイギリス王室全体のイメージをアップさせることに。
見事アン王女!(詳しくはドラマで)
アリス、いつも修道女の姿ですごくみすぼらしいんです。
でも久保田さんがいかにも吹き替えそうな一本芯が通った強い女性。
自分の過酷な運命を受け入れ、誰を責めるでもなく神とともに生きる。
そうそうできることじゃない。
久保田さんが吹き替えると、より彼女の強さが美しく感じるのは私だけじゃないと思う。
メンタリストの大富豪エリース・ヴォーゲルソング
(↑エリース・ヴォーゲルソング。)
主人公ジェーンが巧みに人間心理を突いて事件を解決する『メンタリスト』。
久保田さんが吹き替えを担当するのはシーズン5第15話「豪邸に燃える炎」に登場する大富豪のエリース・ヴォーゲルソング。
邸宅で焼死体となって見つかったエリース・ヴォーゲルソング。
認知症を患っていたというエリース、その彼女に大量の薬を処方していた医師や遺産を相続するかもしれない甥のカーティスが殺人犯として疑われるが…。
このエリース・ヴォーゲルソング、なかなかいけ好かないご婦人です。
実はエリース、支援していた財団のお金を使い込み、認知症のふりをし、自分の身代わりを仕立て焼き殺す。
さらにヨットの管理人ケイシーにヨットを譲るとうまくいいくるめ匿ってもらっていたやり手の金持ちばあさん。
結局ジェーンにあぶり出され(文字通り)、CBIの取り調べを受けるエリース、罪悪感ゼロがまた潔い。
こういうお金持ちの傲慢な女性って、久保田さんの声がさらに冷たい感じでいいんですよ。
全員敵に回しても「ふんっ!」といい切れるエリース・ヴォーゲルソング、ぜひ久保田さんの吹き替え版で観てほしいです。
久久保田さんは今年(2022年)で77歳。
迫力あるシニア女性の吹き替え、これからも期待しています。
一部ですが、ベテランお三方の池田昌子さん、谷育子さん、久保田民絵さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
キャラクターにさらに深みをプラスする彼女たちの吹き替えにぜひ注目してください。
気になるキャラはまだありますが、少しずつ追加していく予定です。
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