タフなおじさまにハマる谷昌樹さんのソフトなのに重い声
谷昌樹(たに あつき)さんの名前を覚えたのは『ダウントン・アビー』のベイツ。
どこにタフなおじさまが?とお思いの方々、そうなんですよね、ベイツはタフって感じじゃないんですよね。
でもこの第一印象が強すぎて、それ以降出会う谷さんの吹き替えたキャラが高確率でタフなおじさまでビックリ。
あの柔らかいのに重みがある声は、壮年男性の人生の重みを感じます。
幸せになってほしい!ダウントン・アビーのジョン・ベイツ
(↑向かって左がジョン・ベイツ。downtonabbey_officialより)
20世紀初頭のイギリス貴族クローリー家が暮らすお屋敷ダウントン・アビー。
そこで暮らす貴族とその使用人たちの人生を描いた『ダウントン・アビー』。
ドラマはシーズン6まで、2020年には映画も公開された人気作品です。
谷昌樹さんはクローリー家当主ロバート付きの従者ジョン・ベイツを担当。
なぜ見出しで「幸せになってほしい!」と書いたのか、それは彼はいろんな不運に会っているから。
まず足が不自由、使用人の中にはそれをからかう者も。(主にトーマスとオブライエンのダウントンの2トップヒール)
無実の罪でピンチに陥ること多数。
それは盗みの容疑や妻の殺害容疑、のちに結婚するアンナをレイプした別の貴族の使用人殺害容疑など。
不運というには重すぎる事件が多すぎる…。
でもベイツ、騒がず爆発せずじっと耐え、ピンチを乗り越える男。
ロバートをはじめクローリー家の人たち、仲間の使用人たちは誠実なベイツを信じて助けるんですよね。
特に当主のロバートとは主従関係を超えた熱い友情があり、ベイツへの信頼の高さは相当なもの。
そういう不器用な生き方ですが、決して不運に飲み込まれないところにアンナも惹かれたんでしょう、私も惹かれました!
シーズンが進むごとにベイツとアンナとの関係も変化し、ついには結婚そして出産!
『ダウントン・アビー』ではいろんな女性が出産していますが、一番ホッとしたのがアンナ。
不妊治療を乗り越えた出産、そしてあ〜こんなにベイツが幸せになるなんてシーズン1では想像できなかった、と感慨にひたる私。
それとは反対に涙なしでは観られなかった出産は、クローリー家三女のシビル。
まさかまさか夫と赤ちゃんをおいてシビルが逝ってしまうなんて…神さまひどい。
私の中で谷さんといえばこの『ダウントン・アビー』のベイツ。
不運に耐え、周囲の信頼を勝ち取り、幸せをつかむ男。
ハートがタフガイ!しかも寡黙!谷さんの声の落ち着き具合!ここぞというときだけ戦う男に変貌するベイツ!
ロバート役の玉野井直樹さんとのうっとりするWダンディな声。
このベイツのように、谷さんが吹き替えたキャラって落ち着いた役が多いんだろうなぁと思ったら…そうでもなかったです。
次に続く。
(↑ベイツ&アンナ。downtonabbey_officialより)
タフを演じるTRUE DETECTIVEのマーティン・ハート
(↑マーティン・ハート。truedetectiveより)
現在アマゾンプライムビデオで配信中の『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』。(2022.04.15現在)
谷さんは主人公の二人の刑事のうちの一人マーティン・ハートを吹き替えています。
『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』は1995年と2012年のふたつの時間軸でストーリが進むサスペンスドラマ。
1995年に二人で解決した殺人事件に隠された闇を、2012年再び二人で解決していくのですが、面白いです、オススメです。
谷さんが担当する刑事マーティン・ハートは、相棒ラスト・コールのずば抜けた捜査能力に比べるといたって普通。
そう、上司や同僚ともうまくやっていける常識的で社交性のある刑事、でも相棒のラストとは通じ合えないというなかなかの致命傷を負っています。
これはマーティンが悪いわけではなく、ラストが変わり者すぎてるだけなんですが。
マーティンは自分はまあまあ優秀と自負し、家庭もうまくいっているつもり、でも女性の誘惑に弱いというウィークポイントが家庭崩壊につながるという「ちと浅い男」。
あの谷さんの柔らかい低音が、実は見た目の「ちゃんとした男」とは違う「タフを演じる浅めな男感」を醸しだしています。
孤独な相棒ラストの唯一の理解者と自らいいながら、あることがきっかけで決裂してしまう二人の関係。
マーティンにはラストが複雑すぎて理解できなかったんでしょう。
書いてて我ながらマーティンに手厳しい…。
マーティンの妻マギーの吹き替えは衣鳩志野さん。
前出の『ダウントン・アビー』のベイツ&アンナ夫婦と同じ組み合わせ。
ベイツ&アンナの互いを信頼しあい、愛があふれる夫婦とは一線を画すマーティン&マギー夫婦の激しさ!
同じ声優さんの組み合わせでも、こんなに違うんだと発見できるドラマです。
アマゾンプライムビデオは30日間無料でお試し可能!
ラスト/森田順平
マギー/衣鳩志野
パパーニア/杉村憲司
ギルバウ/奈良徹
『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』のレビューはこちら↓
『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』はHBO制作のドラマでシーズン3まであり、私はアマゾンプライムビデオで観ました。観たのはシーズン1の『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』、シーズン2&3は登場人物もストーリーも別物です[…]
ウォルターをスカウトしたSCORPIONのケイブ・ガロ
(↑向かって左がケイブ・ガロ、右がウォルター・オブライエン。scorpioncbsより)
天才集団スコーピオンがさまざまな事件を解決する『SCORPION/スコーピオン』。
谷さんが吹き替えを担当するのはスコーピオンのリーダー ウォルター・オブライエンを子どもの頃スカウトし、のちに一緒に仕事をする国土安全保障省の捜査官ケイブ・ガロ。
これぞ「THE・タフなおじさま」のイメージにぴったりなキャラ。
天才だけどコミュニケーション能力に問題ありのメンバーたちをまとめ(これはペイジの役目か)、守り、助ける頼れる男ケイブ。
天才たちは頭脳労働、ケイブは肉体労働&彼らの警備という明確な担当制がわかりやすくていい。
これぞ私がイメージする谷さんお得意のタフなおじさま。
そしてお約束のように女性の前ではシャイになるケイブ。
ドラマが始まった当初はウォルターとケイブの間に大きなわだかまりがあり(昔ウォルターが作ったソフトが空爆に使われケイブがそれを隠していた)、一度はチームからケイブが去るかと思いきや。
ウォルターの大ピンチ(車が崖に転落し途中でひっかかっていて簡単に助けだせない)は、肉体労働担当のケイブらしいダイナミックな方法で無事彼を救出。
二人のわだかまりも解け一件落着。
若い天才集団に混じるとケイブがなんだかお年寄りみたいに見えてしまいますが(天才集団が年寄り扱いする)、私はそんなシーンでちょっと心が痛いんですよね。
ケイブが好きな曲とか私も共感することがけっこうあって、自分もお年寄りチームに片足突っ込んでるのねと改めて気づいてしまったり…。
そういえばケイブを演じるロバート・パトリックは映画『ターミネーター2』でT-1000を演じていたんですね。
今回の投稿で調べて初めて知りました。
あのどんな状態にも変化する液体金属ボディのT-1000、あんなんどうやって倒すん?と思った思い出が。
(↑ターミネーター2のT-1000。steelcitycomicconより)
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
ブラックリストのアレグザンダー・カーク
(↑向かって左から2番目がアレグザンダー・カーク。nbcblacklistより)
国際的な犯罪者レイモンド・レディントン通称レッドが自らFBIに出頭し、FBI捜査官のエリザベス通称リズたちとともに犯罪の闇を暴いていく『THE BLACKLIST/ブラックリスト』。
谷さんはレッドが指名したFBI捜査官のリズの父を名乗るアレグザンダー・カークを担当。
リズも幼い頃の記憶にカークの別荘が出てくるなど、彼が父親ではないかと思い始めますが…。
難病に冒されたカーク、もし自分が本当の娘ならカークを助けることができるかもしれないと治療に協力しようとするリズ。
反対する夫のトム。
果たしてカークはリズの本当の父親なのか?
揺れ動くリズの心と、その後わかる真実が見どころです。
24 -TWENTY FOUR-シーズン1のアンドレ・ドレーゼン
(↑アンドレ・ドレーゼン。アマゾンプライムビデオより)
ジャック・バウアーがテロを阻止する24時間を1時間1話で描いた『24 -TWENTY FOUR-』。
谷さんはシーズン1の大統領候補のパーマー議員の暗殺とジャックの妻と娘の誘拐を企んだドレーゼン兄弟の兄アンドレ・ドレーゼンを担当。
父ヴィクターの暗殺計画で母と妹を殺され、拘束されている父ヴィクターを助けるためにテロを計画。
弟アレクシスと壮大な奪還劇を繰り広げます。
ハードな24話を観終わったらグッタリ疲れること間違いなし。(←私のこと)
王女ピョンガン 月が浮かぶ川のトゥ・ジョンソ
陰謀により子どもの頃記憶を亡くし暗殺者として育った高句麗の王女ピョンガンと、無罪の罪で処刑された将軍の息子オン・ダル(三木眞一郎)の二人の愛や権力争いを描いた韓国ドラマ『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』。
谷さんはピョンガンを記憶を亡くした子ども時代から王女に戻るまで暗殺者カジンとして育てた刺客集団チョンジュバンを率いるトゥ・ジョンソを担当。
彼は以前、神官として宮中で王に仕えていましたが、妻子を殺され復讐することを誓います。
占い師を装い、王の側室に近づくことに成功、そして王女となったカジンにも魔の手を伸ばそうと…。
と、王や王女の敵陣の一人トゥ・ジョンソ。
私はいい人より、こういうダークな役の谷さんの方が好きかな。
デクスターのスタン・リディ
(↑スタン・リディの生前と死後。thedoomsdaykillerより)
殺人の衝動を抑えるために法で捌けない犯罪者を殺しストレスを発散させる警察の鑑識官デクスター・モーガン(桐本拓哉)が主人公の『デクスター 警察官は殺人鬼』。
デクスターはもちろん、シーズンごとにさまざまなタイプのサイコパスが登場するのもこのドラマの見どころ。
谷さんが吹き替えるのはシーズン5で登場する怪しげな男スタン・リディ。
彼は元麻薬課の刑事で内部監査のおとり捜査で捕まり辞めた過去が。
そんないわく付きの男に仕事を頼んだのがデクスターの同僚の刑事クイン(加瀬康之)。
デクスターに疑惑を感じたクインがスタンに尾行させ、尻尾をつかもうとしますがあと一歩のところでたどり着けず。
毎シーズン、デクスターの本性がバレそうなピンチが訪れますがなんとか回避。
スタンもいいとこまで行くんですがね〜惜しいね〜クインに邪魔が入っちゃったね〜。
ラストはご想像どおりに殺られますよ、デクスターに。
演じたピーター・ウェラーは映画『ロボコップ』でロボコップを演じたあの俳優です。
デクスターのようなサイコパスが登場するドラマはこちら↓
海外ドラマでたくさん登場するサイコパス。猟奇的な事件や連続殺人など人格破綻しているのになぜか気になる、ついつい観てしまうという人も多いはず。そういう私もその一人。印象に残るサイコパスをタイプ別に紹介。※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限[…]
メンタリストのジェーンの父

(↑ジェーン父。)
鋭い観察眼と推理力でCBIの犯罪コンサルタントとして事件を解決するパトリック・ジェーンが主人公の『メンタリスト』。
谷さんはジェーンに大きな影響を及ぼした父親を担当しています。
サイキックとしてTVなどで活躍していたジェーン、しかし番組内で連続殺人犯のレッド・ジョンを挑発してしまい、妻と娘が殺されてしまう。
犯罪コンサルタントとして働きつつ、レッド・ジョンの正体を探るジェーン。
ジェーンが犯罪コンサルタントになる前、サイキック(詐欺師)として活動していたベースとなったのが、少年時代に見世物小屋で父親と一緒に上演していた透視。
客の持ち物を透視していたが、「当たっても金にならなきゃ意味はない」と言い切る父。
もっと儲けたい父がジェーンを「奇跡の少年」として売り込み、個人の透視をする仕事を取ってきたりもしていた。
ある日、お金持ちの重病の少女を透視したが、その治療のために水晶を売りつけようとした父に反発。
良心が咎めるも、結局父の説得に折れたジェーンのおかげで高額な透視代を稼いだ父。
ジェーンの能力で一攫千金を狙うしたたかな父は、大人になってもジェーンの心にくすぶり続けているようです。
(↑お父さんはシーズン2第10話『炎の剛速球』に登場します。アマゾンプライムビデオより)
一部ですが、谷昌樹さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
まだまだ紹介したいキャラはあるのですが、少しずつ追加していく予定です。
また、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
※当ブログで今まで紹介したドラマと声優限定です。
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