善も悪も強烈な印象を残す辻 親八さんの吹き替え
辻親八さんの声は、キャラクターの善人と悪人の振り幅がめちゃくちゃ大きいと思います。
聞いたら頭と喉にひっかかること間違いなし。
善だろうが悪だろうが、ドラマを引き締める刺激強めのスパイス声は要チェックです。
(辻親八さんの「辻」は本来しんにょうの点が1つですが、ワードプレスで特殊文字と判定されエラーになるため「辻」で統一します)
見た目よりずっと紳士、グッド・ファイトのエイドリアン・ボーズマン
(↑エイドリアンとダイアン。thegoodfightfanpageより)
『グッド・ファイト』のエイドリアン・ボーズマンの見た目の印象「怖そう」。
ですよね〜、いかつい体に坊主頭、で辻さんのダミ声でしょ。
でもエイドリアン・ボーズマンは法律事務所レディック&ボウズマンの共同経営者。
れっきとした弁護士です。
いつも高級ブランドのスーツに身を包むおしゃれさんでもあります。
あの姿にあの声で力技で強引に勝訴に持ち込むのかと思ったら、意外に正統派で経営者らしく冷静に状況を見極めることができるとても優秀な男。
エイドリアンのいいところといえば。
まず、行き場をなくした主人公ダイアン・ロックハートを自分の事務所に招き入れたこと。
そしてダイアンが一緒に雇ってほしいとお願いしたアソシエイトのマイア・リンデルもまとめて受け入れる男気。
アフリカ系のレディック&ボウズマンに突如加入した二人の白人女性。
さらにアシスタント&調査員のマリッサも追加で、だんだん事務所の雰囲気がかわっていきますが、事務所の成長のためには肌の色に特に執着する様子はなし。
ドラマの中心が女性3人(ダイアン、マイア、ルッカ)のせいか、とくかく女性に翻弄されながらもなんとか上手に操っている(?)エイドリアン。
ベテランのダイアンを事務所に入れるときも、共同経営者のバーバラに反対されながらもうまいこと言いくるめたり。
エイドリアンに強引にくっついて弁護術を盗もうとするマイアや、調査員になりたいと直談判してきたマリッサを決して突き放さず上手に成長させるのはさすが。
元妻が事務所のパートナーになったり、教え子が過去のエイドリアンは特定の女子を贔屓していたと思わぬクレームを聞いたり、女性がらみの問題も定期的に発生。
でもなんだか憎めないエイドリアン。
どっしり貫禄があるエイドリアンですが、人のピンチに寄り添うことができるとっても優しい男性。
ダイアンを救ったのもそうだし、犯罪者の娘でマスコミに追いかけれれてるマイアを受け入れたりする懐の大きさ。
あの見た目と辻さんの声のエイドリアンが自分の弁護士になってくれたら、それはそれは頼もしく感じること間違いなし。
辻さんのダミ声は、エイドリイアンの貫禄づけにぴったりですが、心の奥底にある紳士の部分を感じさせてくれる温かみを感じます。
愚直に王に仕える太王四神記のフッケ
もしかしたらこの『太王四神記』が初めて辻さんの声を意識したドラマかもしれません。
2007年に日本で放送されていたので、覚えている人も多くないかもしれません。
アマゾンプライムビデオでも字幕版のみで、辻さんの吹き替えを聞く機会があまりないかもしれませんが、それでも紹介したいキャラなんです。
『太王四神記』は高句麗の王の座を巡って四つの神器を手に入れるべく主人公タムドクと従兄弟のヨン・ホゲが戦うという歴史ファンタジードラマ。
辻さんが吹き替えるのは主人公タムドクに仕えるチョルロの部族長フッケ。
タムドクと敵対する武力・財力ともに王を凌ぐ貴族ヨン・ガリョ(吹き替えは菅生隆之さん)&ヨン・ホゲ(吹き替えは咲野俊介さん)親子側につく部族長がほとんどの中、唯一、皇太子時代から即位後もタムドクを支え続けるフッケ。
何かあれば力で解決しようとするフッケ、それをたしなめるタムドク。
とにかくまっすぐに王に忠誠を誓うフッケは、ドラマの前半、孤立するタムドクのそれはそれは強力な味方。
少数精鋭でヨン・ホゲと戦うタムドクをフッケと彼の息子たちは支えます。
しかし、戦いの中で長男を失うという悲劇が。
それでも王のそばで支える熱い男フッケ。
問題は武力で解決しようとする短慮なフッケ、でもそれが彼の持ち味。
これぞ辻さんの力強いダミ声にぴったりのキャラクター。
勢いと声量で場を圧倒する辻さんの吹き替え、でも毎度論破されるフッケ…でもいいのそれが彼だから。
戦闘の場でこそフッケはイキイキとするのよ!と心の中で彼を援護。
最終話、フッケは戦場で命を落としますが、自分の命を預けた王タムドクの方を見ながら息を引き取ります。
でもこれぞ彼のラストにふさわしい。
あ〜〜、そういえばあの戦場は大好きなキャラ・コ将軍も命を落としてしまったんだった…。
ちなみにアマゾンプライムビデオでは字幕版のみ、吹き替え版は通常のDVD BOX1&2には入っておらず、コンプリートDVD BOXのみ収録されています。
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
デクスターのトリニティ・キラーことアーサー・ミッチェル
(↑トリニティ・キラーことアーサー・ミッチェル。showtimeより)
殺人の衝動を抑えられない鑑識官デクスター・モーガン(桐本拓哉)が犯罪者を殺していくドラマ『デクスター 警察官は殺人鬼』。
シーズンごとに強烈なサイコパスが登場しますが、辻さんが演じるトリニティ・キラーことアーサー・ミッチェルもその一人。
レビューにも書きましたが、トリニティ・キラーは『デクスター』にでてくるサイコパスの中でもかなりのインパクトの大きさ。
なぜかというと、表の顔は信心深くて家族思いの教師、裏の顔は幼い頃に負ったトラウマのせいで全米で殺人を繰り返すサイコパスという激しすぎる落差。
実は自分と重なる部分が多く驚くデクスター。(彼も家庭を大切にしている)
そしてアーサーのもうひとつの裏の顔は力で家族を支配しているハラスメント男。
さらに刑事のクイン(加瀬康之)に近づいたアーサーの記者の娘も父同様のぶっ壊れっぷり。
トリニティ・キラーの恐ろしさがマックスになるのは、彼の本性に気づいたデクスターの大切なものを奪う瞬間。
シーズン4のラストでぜひ確認を。
(↑アーサーの娘とクイン。showtimeより)
デクスターのレビューはこちら↓
殺人の衝動を抑えられない鑑識官が選んだ道は必殺仕事人(↑プライム会員なら追加料金なしで視聴可能(30日間無料体験もあり)(2021.09.05現在))少し昔の海外ドラマ『デクスター 〜警察官は殺人鬼』。ずっと観たかっ[…]
トリニティ・キラーのようなサイコパスが登場するドラマはこちら↓
海外ドラマでたくさん登場するサイコパス。猟奇的な事件や連続殺人など人格破綻しているのになぜか気になる、ついつい観てしまうという人も多いはず。そういう私もその一人。印象に残るサイコパスをタイプ別に紹介。※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限[…]
キリング・イヴのチャールズ・クルーガー
(↑killingeveより)
MI5のイヴ・ポラストリと暗殺者ヴィラネルの愛憎入り乱れる不思議な攻防を繰り広げるドラマ『キリング・イヴ』。
辻さんはシーズン3で登場する謎の組織トェルブの会計士チャールズ・クルーガーを担当。
会計士でありながら、何者かにトェルブのお金を盗まれてしまうお間抜けさん。
ヴィラネルの指示係コンスタンティン(大塚芳忠)に相談し、工面してほしいと依頼しますが…。
キリング・イヴのお約束「大抵の関係者は殺される」ですが、もちろんこのクルーガーも殺されます。
吹き替えが辻さんだったので(強うそうなイメージ)、意外に持ちこたえるかと思ったら見た目どおり柔な会計士でした。
ミディアムのライデッカーCEO
(↑ライデッカーを演じたデヴィッド・モース。_david_morse_より)
霊能力者アリソンが事件を解決していくドラマ『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』。
辻さんはシーズン5の13〜15話で登場する大企業ライデッカーのCEOを担当。
アリソンを高待遇でスカウトした彼。
もちろんこれにはちゃんと裏があり。
オフィスで眠り夢を見る、それが彼女の仕事。
ただし、見た夢は会社の所有物なので口外してはいけないと言われる。(←これがミソ)
なぜなら、CEOの息子ジェスティンが実は連続殺人犯でそれを隠すためにアリソンを雇った。
その後、その報いをCEOもジェスティンもアリソンをスカウトしたケイトリンもちゃんと受けて無事解決。
さらに今回はアリソンの娘アリエルもいい働きをするのよ!
スコーピオンのパトリック・クイン
『SCORPION/スコーピオン』は天才オタク集団がその頭脳を生かし問題を解決していくアクションドラマ。
辻さんは天才オタク集団の一人、メカの天才ハッピー・クインの父パトリック・クインを担当。
ハッピーの父は彼女が幼い頃に蒸発し、彼女はその父を探し続けていました。
で、父を発見するも素直に娘といえないハッピー。
でも父パトリックはすぐわかってたんですね〜、ハッピーが娘だということを。
無骨で無愛想な修理工、過去に酒の溺れたパトリックに辻さんの声、
過去の酒やけまでも再現しているような声は、辻さんにしかできない吹き替えだわ。
ワンス・アポン・ア・タイムの七人の小人リロイ
(↑向かって左がリロイ、小人仲間と心理カウンセラーのアーチーも。leearenbergより)
『ワンス・アポン・ア・タイム』はおとぎの世界で呪いをかけられた住人が、過去の記憶をなくし現代社会で暮らしている街に主人公エマが現れたことにより大きく動き出すというファンタジードラマ。
辻さんが吹き替えるのは、おとぎの世界の鉱山で働く七人の小人の一人リロイ。
小人たちは仕事で使う斧に浮き上がる性格を表した名前で呼ばれるのですが、リロイは最初「ドリーミー」!夢見る男だったのですが、あることがきっかけで「グランピー(怒りん坊)」に変化!
最初のドリーミー時代は、あの辻さんの声でドリーミーですか?とツッコミましたが、グランピーとなったら違和感なし。
キャスティング、さすがです。
CSI:マイアミのフランク・トリップ
(↑フランク・トリップ。csi_miamiiより)
CSIシリーズの中でもホレイショはじめ登場人物のクセ強めな『CSI:マイアミ』。
辻さんはマイアミデイド署の刑事フランク・トリップを担当。
イカつい顔つきとガタイのイメージそのまんまの熱くて頼れる刑事。
CSIのチーフ・ホレイショとうまくやってける?と不安なところもありましたが、だんだん信頼関係を築いていく頼もしいパートナーに。
ドスの効いた辻さんの声は、役のイメージどおりの組み合わせ。
ヴァイキング 〜海の覇者たち〜のハラルドソン
『太王四神記』のフッケに続いてこちらも部族長です。
『ヴァイキング ~海の覇者たち~』は北欧のヴァイキング をモチーフにした歴史ドラマ。
主人公のラグナルはまだ見ぬ土地への憧れを抱き、大海原に飛び出していくヴァイキングの戦士。
辻さんが担当するのは、そのラグナルがいる土地の部族長ハラルドソン。
遠征の季節がくると、今回はどこに遠征するかを決めるのがこのハラルドソン。
新しい土地の開拓に消極的なハラルドソンに歯向かったのがラグナル。
ハラルドソンはいかにもな独裁的な部族長で、横にはゴージャスで何か企んでそうな妻のシギー。
延々とハラルドソンVSラグナルが続くのかと思ったら…。
戦いの場で命を落とすのは、フッケにも通じるエンディングでございました。
チャックのライリー
家電量販店で働く主人公チャックが、スパイとして活躍するお気楽スパイアクションドラマ『CHUCK/チャック』。
辻さんはシーズン4で登場する弁護士ライリーを担当。
ライリーは、主人公チャックが探す母メアリーが関係しているのではないかと追うロシアのヴォルコフ産業のボスであるアレクセイ・ヴォルコフの弁護士。
ヴォルコフの娘のヴィヴィアンに接近し、父の組織を再編するよう伝えるも彼女は断りますが、またライリーが現れ「チャックたちに利用されている」と悪魔のささやき。
だんだん悪の道へそれてしまうヴィヴィアン…。
まぁ辻さんの声を聞いた時点でライリーは堅気の弁護士ではなさそうだろうとピンときます。
声を聞いて「たぶん悪役」の予想ががかなり当たるのは大塚芳忠さんといい勝負かもしれません。(褒めてます)
一部ですが、辻親八さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
実をいうと辻さんの声は、彼とダミ声界の2トップをはる斎藤志郎さんと間違えることも多々あり。
よく聞くと違いがわかるのですが、まだまだ聞き分けられないとは情けない。
まだまだ紹介したいキャラはあるのですが、少しずつ追加していく予定です。
また、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
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