リリーとフィービーが田中敦子さんの吹き替えでつながった
田中敦子さんとの出会いは20年以上前に観たアメリカのシットコム『フレンズ』の主人公の一人フィービーの吹き替えで。
それから10年以上経って何かの拍子でこのフィービーと『コールドケース』のリリーがどちらも田中さんの同じ吹き替えと知ったときの衝撃…。
田中さんのキャラクターの演じ分けに脱帽です。
※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限定です。
クールビューティ、コールドケースのリリー・ラッシュ
(↑リリー・ラッシュ。roi_hiより)
『コールドケース』は未解決の殺人事件を捜査する主人公リリー・ラッシュの活躍を描いたドラマ。
冒頭、事件当時の様子が音楽とともに流れ、場面が現代にかわり新たな証拠や証人などが現れリリーたちが捜査を始めるという流れ。
私が一番最初に観たのは10年以上前、地上波の深夜放送でした。
田中敦子さんが吹き替えるのは主人公リリー・ラッシュ。
いつもパンツスーツ、シャツは白やグレーやブルー系のシンプル&クールな着こなし、髪はアップにしていることがほとんど。
時効がない未解決の事件を専門に捜査する刑事という職業からか美しいルックスからイメージする派手さはまったくなく、いつも真摯に仕事に向き合っています。
大立ち回りもカーチェイスも銃撃戦もないどちらかというと地味なドラマ。
でも面白い!
証拠も証人も限られた昔の事件をどう解決していくのかが見どころで、リリー他チームの個性的な面々もこのドラマを面白くしているポイント。
リリーもそうですが、他のメンバーも何かしら問題を抱えて生きているのが、どこにでもいそうな身近さを感じさせてくれます。
あと、事件当時に流行っていた音楽が、一瞬でタイムトリップさせてくれるところが個人的には大好きです。
で、で、で、やっぱり吹き替えがいい!
家族や男性といい関係が築けないリリーのどこか影のあるクールな態度や口調。
あんな憂いのある美人が刑事だなんて、私が男ならそんなリリーのギャップにすぐ惚れそう、もちろん脳内再生の声は田中敦子さま。
そんなどこか冷めた目線に口調、でも被害者に寄り添って犯人を追いかけるリリーのカッコよさ。
は〜、やっぱり好き。
ところで、『コールドケース』のオープニングの曲はダークな映像の雰囲気に合う重厚な曲。
オープニング曲目的でコールドケースのサントラ盤を買ったら入っていない!
よくよく調べたら、オープニング曲「NARA」はE.S. POSTHUMUSの『UNEARTHED』というアルバムに入っていると。
あわてて買いましたよ、『UNEARTHED』。
今はCD以外にもMP3やストリーミングでも楽しめますよ。
(↑オープニングの曲「NARA」はこちら)
(↑エピソード内で使用した曲を収録したコールドケースのサントラ盤)
フレンズの超個性派キャラ!フィービー・ブッフェ
(↑一番手前がフィービー・ブッフェ。wbtv_jpより)
1994年スタートの男女6人が織りなすアメリカのシットコム『フレンズ』。
かなり前のドラマなので観たことあるのは40代以降の方が多いかも。
田中さんは主人公グループの一人フィービー・ブッフェの吹き替えを担当。
『コールドケース』の美人刑事リリーは一旦頭からとっぱらってください。
田中さんの声が演じるこのフィービー、なかなかの変わり者キャラ。
フィービーは男女6人のグループの中の役割でいうと「不思議ちゃん」係。
毎回何かしらやらかしてるイメージで、簡単に彼女のキャラクターを紹介するなら90年代のヒッピーという感じでしょうか。
複雑な子供時代を経て我が道を行く彼女。
ベジタリアンだったり、代理母になったり、超オリジナルな歌を歌ったり、未来を言い当てたり、愛車はNYの黄色いタクシーなどなど、その行動はいつも予測不可能。
ちなみにフィービーは双子で姉アースラがいるのですが、この姉も超個性的でロックでパンキッシュな雰囲気!
あとフランクという腹違いの弟もいて、彼女は弟の子どもを代理出産するというぶっ飛び具合。
そして一番驚いたのが田中さんが吹き替えたこと。
フレンズのフィービーを観てからコールドケースのリリーを観たわけですよ。
素人にこの二人が同じ吹き替えなんてわかるはずナイ!
声のトーンも口調も何もかも違ったので気づかなくて当たり前。
こんな意外な発見も、吹き替え派ならではの楽しみ方のひとつです。
(↑フィービー・ブッフェ。wbtv_jpより)
(↑吹き替えを担当する深見梨加さん、安達忍さん、田中敦子さん。wbtv_jpより)
17年ぶりに6人が集まった!フレンズ:ザ・リユニオン字幕版レビューはこちら↓
フィービーはなんとレディー・ガガと共演!!
フレンズのあの6人が17年ぶりに大集合!(↑U-NEXTより)現在U-NEXTのみで配信中の『フレンズ:ザ・リユニオン』(2021.11.29現在)。1990年代に人気だったシットコム『フレンズ』のあの6人が再び集結する[…]
頼れる相棒、エレメンタリのジョーン・ワトソン
(↑ジョーン・ワトソン。elementaryofficialより)
現代のニューヨークを舞台にした『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』はイギリス人探偵のシャーロック・ホームズが相棒ジョーン・ワトソンやニューヨーク市警のグレッグソン警部やベル刑事とともに事件を解決するドラマ。
田中さんは主人公シャーロックの相棒ジョーン・ワトソンを吹き替えています。
この『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』で初の女性ワトソンが登場しました。
探偵としては超一流でも尊大で自信家で他人の心情を顧みないシャーロック(吹き替えは三木眞一郎さん)を理解し、常識人として世間と彼をつなぐのもワトソンの役目。
そして元外科医でシャーロックとは違う視点で事件解決のヒントを見つけられる超知的なワトソン。
私はシーズン4で登場するシャーロックの父・モーランド(吹き替えは菅生隆之さん)とワトソンとの腹の探り合いが特に好きです。
モーランドとのやりとりで彼女の頭の良さが一層際立つのと、シャーロックとは違うやり方でモーランドとやりあえる強さが惚れ惚れするほどかっこいい。
そしてシャーロックがワトソンと信頼関係を築きながら少しずつ変化していくのも見どころのひとつ。
彼女のファッションも毎回素敵なんですよね。
シーズン6ではメンズライクなスーツをよく着てるんですよね、ネクタイもきっちり締めて。
『コールドケース』のリリーの声がキンキンに冷えた水なら、このワトソンの声は常温の天然水のイメージ。
シャーロック役の三木眞一郎さんのどこかとげのある声と、田中さんの透明感のある声の組み合わせがキャラを一層魅力的にしているので、ぜひ吹き替えで観てほしいドラマです。
2021年、ようやくファイナルのシーズン7まで観終わりました。
ラストはシャーロックとワトソンの愛が感じられて、すごくいいラスト。
久しぶりに「納得のいくファイナル」に出会えて、『エレメンタリー』が無事キレイに消化できました!
アマゾンプライムビデオならシーズン7まで吹き替え版で観られますよ↓
夫の無罪を信じ切れるのか?フレイザー家の秘密のグレイス・フレイザー
(↑undoinghboより)
ニコール・キッドマン主演のサスペンスドラマ『フレイザー家の秘密』。
田中さんが担当するのは主人公のニコール演じるグレイス・フレイザー。
息子の通う学校のある委員会で知り合った妖艶で美しいママ友エレナがある日殺され、グレイスの夫ジョナサンが逮捕される。
無罪を訴える夫、しかし彼には妻の知らなかった秘密があった。
本当に夫は無罪なのか、もしかしたら本当に犯人なのか。
主演は大物俳優のニコール・キッドマン、共演はタレ目ハンサムのヒュー・グラント。
豪華ですね〜、吹き替えも豪華です。
ニコールは田中敦子さん、ヒューは森田順平さん、他にも大塚明夫さんなど、何もかもお金がかかっているのがわかるというもの。
50代なのにシワもシミもないニコール・キッドマンのクールビューティーは健在、設定もイメージにピッタリのNYに暮らすお金持ち夫婦。
田中さんの声があのニコールの顔から聞こえてくると、なんだか美しすぎてこちらが緊張してしまう…。
夫に容疑がかかり、マスコミに追われ息子と別荘へ。
そこで夫は逮捕、裁判が始まり裕福な夫婦に世間の注目が集まる。
刑事の執拗な追及や、彼女自身が殺人があった同時刻に付近にいたことなどなど、グレイスにもしっかり怪しい部分が。
次に何が起こるか、ずーーーっと緊張感の続くこのドラマ。
田中さんの吹き替えもクールもあれば夫への不信感丸出しの荒ぶる様子もあったり、息子を守るたくましい母の顔、そして父に助けを求める娘になったりといろんな面を見せてくれます。
しかし!私が一番気になったのは、ニコール演じるグレイスは臨床心理士で夫婦カウンセリングのプロ。
いわば心のプロ、そんな彼女でも夫の真の姿は見抜けなかったのかと観終わった後、思わず突っ込んでしまったのですが。
(↑undoinghboより)
同じく田中さんがニコールの吹き替えを担当したドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』。
字幕だと配信があっても吹き替えがなかったりなどで、観たいんですがなかなかチャンスがないんですよね。
『フレイザー家の秘密』吹き替え版のレビューはこちら↓
豪華なキャストで描くセレブ家族崩壊ミステリーこの投稿をInstagramで見るThe Undoing(@undoinghbo)がシェアした投稿 (↑undoinghboより)[…]
『フレイザー家の秘密』のようにサイコパスが登場するドラマはこちら↓
海外ドラマでたくさん登場するサイコパス。猟奇的な事件や連続殺人など人格破綻しているのになぜか気になる、ついつい観てしまうという人も多いはず。そういう私もその一人。印象に残るサイコパスをタイプ別に紹介。※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限[…]
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
CSI:科学捜査班のジュリー・フィンレイ
(↑ジュリー・フィンレイ。all.elisabeth.shueより)
シーズン15でラストを迎えたご長寿ドラマ『CSI:科学捜査班』ではCSI捜査官ジュリー・フィンレイの声を担当。
シーズン12から登場した新し目のキャラクター、最初観たときの印象は「キャサリン・ウィロウズをもっと勝気におてんばにした感じ」でした。
上司のラッセルに過去にクビにされていたため、今後ラッセルといがみ合うのかと思ったら意外にもチームに溶け込んだ彼女。
男性関係もまぁまぁお盛んで、同じCSIチームの女子たちと行った女子旅では男性がらみでトラブルに巻き込まれたりもしてます。
それもフィンレイらしいなと感じましたが、彼女の最後(シーズン15)も自ら解決しようとした事件に巻き込まれた結果がいかにも彼女らしくて印象的なキャラクターでした。
グッド・ファイトのFBI捜査官マデリン
(↑マデリン・スターキー。thegoodwife_cbsより)
『グッド・ファイト』ではシーズン1で登場する主人公の一人、弁護士マイアの取り調べをするFBI連邦捜査官のマデリン・スターキーの吹き替えを担当。
このマデリン、ほんとイヤなやつなの!
マイアは逮捕された親の巨額投資詐欺について知っていたのではないか、そして関与してたのではないかと疑い、マデリンが彼女の取り調べを行うのですが、やり方が汚くて。
フレンドリーに接して情報を聞き出そうとしたり(結婚してるふりをして架空の旦那の話をしたり)、合成した嘘の音声をマイアに聞かせて情報を得ようとしたり。
気さくなのに抜け目がなくて腹が立つ。
田中さんの吹き替えでここまでイヤな女性も珍しいのではないかと、なので余計に印象的でした。
マッドメンのレイチェル・メンケン
(↑レイチェル・メンケン、スワイプするとドンも登場。madmenpics_より)
『マッドメン』は1960年代のニューヨークの広告代理店スターリング・クーパーのクリエイティブ・ディレクターのドン・ドレイパーが主人公のドラマ。
田中さんはシーズン1と2、シーズン7では名前だけ登場するレイチェル・メンケンを担当。
デパートの経営者で当時としては珍しく男性と同等に仕事をするキャリアウーマン。
仕事で出会ったドンと互いに惹かれるも、彼は妻帯者ということで悩みつつ結局深い関係になってしまいます。
ドンの数々の浮気相手の中でこのレイチェルは「特別な存在」のようで、彼の秘密がバレそうになったとき一緒に逃げようとするのが彼女。
妻でもなく、他の愛人ミッジでもなくレイチェルを選んだドン。
自分を持っていて知的で美人で対等な関係でいられる彼女にドンはものすごく惹かれたんだと思います。
吹き替えは経営者らしくいつも冷静なトーン、だからドンの誘惑に抗えなかったときのレイチェルの声の色っぽいこと!
姉(吹き替えは唐沢潤さん、S7では別の声優さん)に恋の相談をするするときはまるで少女のようなレイチェル。
結局、これ以上ドンに深入りするのは危険と判断した父(たぶんレイチェルも)により、突然パリへ旅立つことに。
ショックを受けるドン、シーズン2では結婚していたレイチェルと偶然再会し、またショックを受けるドン。
そして追い討ちをかけるようにシーズン7では病気で亡くなっていたことを知りどん底級のショックを受けるドン。
こんなラストではレイチェルが彼の永遠の憧れに昇華されたのは仕方がないことだと思います。
レイチェルも登場する『主人公ドンは60年代の光源氏?マッドメンを観て気づいたこと』のレビューはこちら↓
マッドメンの主人公ドンは60年代の光源氏だった!1960年代のニューヨークの広告代理店を舞台にした海外ドラマ『マッドメン』。先日ファイナルのシーズン7まで観て思ったんです、「主人公のドンみたいな男、どっかで会ってるぞ」と。次から次へ[…]
コバート・アフェアのジョーン・キャンベル
(↑ジョーン・キャンベル。NBCユニバーサル公式より)
『コバート・アフェア』はCIAの訓練生から新人諜報員に抜擢されたアニー・ウォーカーが、同僚で盲目のオーギー・アンダーソンの助けを借りながら任務を遂行していくドラマ。
田中さんはアニーを採用した直属の上司ジョーン・キャンベルを担当。
ジョーンは部下のアニーを厳しく指導する冷静沈着な女性。
夫は同じくCIAでジョーンの上司、毎日かなりの至近距離で仕事をしている夫婦ですが、夫の浮気を疑っていて問い詰めるジョーンの口調の厳しいこと。
そしてCIAを使って夫の素行調査をしてしまうジョーン、夫のこととなると公私混同してしまうんですね〜。
もちろん夫婦関係は微妙です…。
名探偵ポワロ 鳩の中の猫のアン・シャプランド
(↑一番右がアン・シャプランド。lenkkrisztinaより)
名探偵ポワロが難事件を灰色の脳細胞で解決するドラマ『名探偵ポワロ』。
田中さんは「鳩の中の猫」で名門女子校のメドウバンクの校長秘書アン・シャプランドを担当。
この女子校にポワロが招かれるところからスタートします。
そして体育教師が体育館で殺されポワロが捜査にあたります。
また、入学したラマット王国のシャイスタ王女(武田華)が行方不明になったり、フランス語教師が殺されたりと学内は事件続き。
実はアンは元諜報部員で、ラマット王国のクーデター時のバタバタに紛れてイギリスに持ち込まれたルビーを追っていたのです。
お上品な雰囲気という化けの皮を剥いだら冷酷な殺人犯という、田中さんの吹き替えの中では意外性が高く印象に残りました。
一部ですが、田中敦子さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
最近吹き替えたキャラで一番びっくりしたのは『呪術廻戦』の花御役。
超いかつい呪霊で、なんで田中さんの声???と不思議な感覚で観ました。
気になるキャラは随時追加していく予定です。
【あと3時間!】
— 『呪術廻戦』アニメ公式 (@animejujutsu) February 19, 2021
今夜1時25分より、MBS/TBS系全国28局ネットにて第19話「黒閃」が放送!交流会に突如乱入し、伏黒・狗巻・加茂に襲い掛かる特級呪霊・花御‼
森への恐れから生まれた呪い・花御(CV:#田中敦子)https://t.co/KksfMdx5W1#呪術廻戦 pic.twitter.com/B2AJgfoKrS
(↑『呪術廻戦』アニメ公式より)
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※当ブログで今まで紹介したドラマと声優限定です。
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