お国が違えばシャーロックも違う
ミステリー好きなら一度は聞いたことがある名探偵シャーロック・ホームズ。
アーサー・コナン・ドイルの小説で、今までたくさん映画化ドラマ化されてきた有名な作品。
今回は遅ればせながら日本版『ミス・シャーロック』視聴記念としてドラマの現代版シャーロックをピックアップ。
さてどんな違いがあるのか。
※カッコ内は吹き替え声優名、日本版は俳優名です。
シャーロックが主人公の英米日版ドラマとは
●SHERLOCK(シャーロック):英
英国版シャーロックはベネディクト・カンバーバッチが演じた『SHERLOCK(シャーロック)』。
現代のロンドンを舞台にしたBBC制作の人気ドラマ。
シーズン4で完結。
(↑シャーロックとワトソン。pbsより)
●エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY:米
アメリカで制作されたNYが舞台の『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』。
主役のシャーロックを演じるのはイギリス人のジョニー・リー・ミラー。
シーズン7で完結。
(↑シャーロックとワトソン。elementaryofficialより)
●ミス・シャーロック:日
日本版は『ミス・シャーロック』。
シャーロックを演じるのは竹内結子、初の女性シャーロックとして話題に。
全8話で完結。
(↑シャーロックと和都。hulu_japanより)
ドラマによって微妙に違うシャーロック
【共通点】
●頭がキレて自信家。周囲の人間をバカにする傾向が
●するどい洞察力と桁外れの情報量で協力する刑事から一目置かれている
●人間関係を築いたり、人の気持ちを察するのが苦手
●難解だったり興味のある事件しか扱わない
●友人はほぼいない
【違う点】
●性別
日本版のみ女性(竹内結子)。但しイギリス生まれという設定は3人共通。
●苦手なもの
英:女性
米:父
日:子ども
●ファッション
英:シャツ、ジャケット、パンツ、コート、マフラー。全体的に黒や紺などの無彩色(三上哲)
米:第一ボタンまできっちり留めたシャツ、ジャケットとパンツと履き古した靴。基本無頓着(三木眞一郎)
日:ハイブランドでまとめ、こだわり多め。美的センスのないものが視界に入るのを嫌う(竹内結子)
ドラマによって微妙に違うシャーロックの家族
【共通点】
●兄(マイクロフト、双葉健人)の存在
但し、ドラマによって職業や兄弟関係の違いあり。
英:イギリス政府の何かしらの人。仲はよくないがシャーロックのことを気にかけている
米:レストランを経営。シャーロックとはかなり性格が違う
日:内閣情報分析官。互いにつっけんどんだが、ひとつの椅子を二人で使ったりと実は仲が良さそうな雰囲気
【違う点】
●家族構成
英:両親、兄マイクロフト、妹ユーラス(園崎未恵)
米:父モーランド(菅生隆之)、兄マイクロフト
日:兄の双葉健人(小澤征悦)
英版は妹ユーラスが最後のエピソードのキーパーソンに。両親役はカンバーバッチの実の両親。
米版は親子の確執がありながらも、シャーロックを影で支える姿はやっぱり父親。
日版は兄のみ登場。会うと必ず「20分しか時間が取れない」と言う。
(↑米版シャーロックと父モーランド。elementaryofficialより)
ドラマによって微妙に違う相棒ワトソン
【共通点】
●医師か元医師
英:アフガン帰りの軍医。実は射撃が得意(森川智之)
米:元心臓外科医で患者を死なせたことで医師を辞め、シャーロックの薬物依存のリハビリを手伝うことに(田中敦子)
日:シリアでボランティア活動をしていた医師。帰国後、医師の仕事を辞めた(貫地谷しほり)
●配偶者や恋人の存在
英:メアリー(石塚理恵)と結婚、娘をもうける
米:恋人アンドリューが殺されるという過去あり。シャーロックの兄マイクロフトといい仲に
日:戦場カメラマンの守谷透と親しくなる
【違う点】
●名前
英:ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン。ミドルネームは言いたくない
米:ジョーン・ワトソン
日:橘和都。「わとさん」と呼ばれ、聞き方によっちゃ「ワトソン」と聞こえる
●性別
英版のみ男性、米日は女性。原作は男性。
●性格
英:惚れっぽい
米:冷静でファッショナブル
日:情にもろくて理性よりも感情で動く
●シャーロックへの態度
英:控えめだが本気で怒ると怖い
米:なんやかんや言いながらシャーロックのことが心配
日:知り合って日が浅いのに割とズケズケ言い、案外ものおじしない
(↑左から英版メアリー、シャーロック、ワトソン。pbsより)
ドラマによってかなり違う宿敵モリアーティ
【共通点】
●別人になりすましシャーロックに近づき、洗脳する
英:男性。普通の人を装いシャーロックに近づき、妹ユーラスにも接触する(村治学)
米:女性。元シャーロックの恋人。死んだと思われていたがある日シャーロックの前に現れる(小林沙苗)
日:女性。PTSDに悩む和都が頼りにする心理カウンセラー入川真理子。物腰が柔らかく洗脳能力がずば抜けている(斉藤由貴)
(↑日版モリアーティの入川真理子。yukisaito_photoより)
ドラマによってけっこう違う刑事たち
【共通点】
●シャーロックの人間性に難ありと知りつつも全面的に信頼する
【違う点】
●仕事への姿勢
英:スコットランドヤードのレストレード警部。シャーロックには対等に扱われないが本人はさほど気にしていない様子
米:NY市警のグレッグソン(堀内賢雄)がレストレード的な存在。英米日の中では一番ちゃんと仕事をする刑事。ちなみに本家レストレードも登場するがシャーロックがNYに行ってからはどうもパッとしない様子
日:警視庁刑事の礼紋元太郎(滝藤賢一)。推理はシャーロックに、細かい情報収集や事務作業は部下の柴田に指示して、基本自分では動かない。
(↑米版レストレードのグレッグソン。elementaryofficialより)
ドラマによって登場したりしなかったりのハドソン夫人
【共通点】
●シャーロックに遠慮なくあれこれ言える貴重な人(英版と日版のみ)
【違う点】
●名前やシャーロックとの関係
英:ベーカー街221Bの家主でシャーロックのおかげで夫を死刑にできた(谷育子)
米:家主はシャーロックの父モーランドなので家主のハドソン夫人は登場せず。でもS1でイギリス時代の知り合いハドソンさんは登場
日:221Bの家主、波多野君枝(伊藤蘭)。シャーロックの両親に助けてもらった借りがある。名前は気持ち近づけている配慮が
(↑英版シャーロックのワトソン夫妻とハドソン夫人。bbciplayerより)
私が好きなそれぞれのシャーロック
英:ベネディクト・カンバーバッチと吹き替えの三上哲さんの相性、完璧。あのシャーロックを欺いたワトソンの妻メアリーの優秀さもかなり好き。あと、シャーロックに思いを寄せるモリーとキスするシーンはドキッとした!
米:男女コンビなのに恋愛に発展せず、友情を築くところ。それを象徴するのがエンディングで二人の友情が確認できるハッピーエンドは大好き。ワトソンのファッションも真似できないけど好き。但し金髪はイマイチ
日:竹内結子さんの演技を初めてちゃんと観た作品。スタイリッシュでクールでほれぼれする美しいお顔。辛辣でキレすぎるシャーロックとほんわか和都(貫地谷しほり)との緩急ついた組み合わせがいい
モリアーティをランキング
1位:英版ジム・モリアーティ
シーズン4の最終話、孤島にヘリで登場するモリアーティ。クイーンの「I Want to Break Free」とともにポーズを決めるかっこよさ。本当に死んだの?とずっと思わせてくれる存在感も好き。
2位:日版モリアーティの入川真理子ことモリワキアキラ
斉藤由貴のおっとりした口調と柔らかすぎる雰囲気が不気味。初めて登場した瞬間「斉藤由貴なら絶対悪役!」と勘が働き見事的中。湿度かなり高めのモリアーティ。
3位:米版モリアーティ(アイリーン・アドラー)
演じるナタリー・ドーマー、めっちゃ好み。あのシャーロックを騙し続けるのは素晴らしいが、本当に気づいてなかったの?という疑問も。悪役としてもっと底知れぬ怖さが欲しかった。惚れた弱みで視界が曇ったのかシャーロック?
(↑英版モリアーティ。eddiexandrewより)
吹き替え派必見!意外なところでこんにちは!な人たち
英:S3で結婚するワトソンとメアリーのブライズメイトのジャニーンの吹き替えは樋口あかりさん。あの女嫌いのシャーロックの恋人になる女性!結局利用されてるだけの可哀想な女性と思ったらちゃんと彼を利用するのはさすが。彼の部屋から彼のシャツを着てでてきたのはジャニーンだけ!しかもシャールと呼んでる…
米:S4第24話の「最後の死闘」で登場するモリアーティの犯罪組織の幹部ゾーヤ・ハシェミの吹き替えは池田昌子さん。オードリー・ヘプバーンや銀河鉄道999のメーテルなどでお馴染みのあのエレガント&たおやかな声が悪役で登場。素敵すぎる!
日:第7話「最後の事件 前編」に大臣の桐嶋亨役で山路和弘さんが!もちろんあの声ですぐわかった!!謝罪も責任も認めないいかにもな大臣役で登場。慇懃無礼な口調もいいけど怒鳴り声も演技も見られるなんて最高
英米日のシャーロック、いかがでしたか。
普段日本のドラマを観ないのにシャーロックという言葉に釣られて『ミス・シャーロック』をチェック。
初の女性版シャーロックはもちろん相棒ワトソン(橘和都)もなるほどの配役。
最初は和都の恋人守谷透がモリアーティかと思ったけど(名前が似てる)、さすがにそれは安易すぎると思ったらやっぱりその通り。
ラストに死んだはずのシャーロックらしき足元が映って終わり…ということはシーズン2もあるんだよね!と期待したのは私だけじゃない。
けどご存じのように竹内結子さんが亡くなった今、2はないんだろうなと残念な気持ちに。
部屋の様子やシャーロックの部屋着、ハドソン夫人や楽器を嗜むところなど、日本版は英国版をベースにしているんだろうなと思う要素がいろいろ。
思ったよりも和都(ワトソン)がシャーロックにズケズケものを言うのはよかった。
英米日や男女問わず、今後も新たなシャーロックがいつか登場することを期待して。
また、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
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