吹き替えイメージは「いい人」な、てらそままさきさん
映画やドラマの吹き替え、そして大岡越前のナレーションと幅広く活躍中のてらそままさきさん。
パッと思い浮かぶ声のイメージは「いい人」。
なのでたまに悪役で声を聞くと「おっ!まさかこんなところで!」と新鮮な驚きがある声優さんです。
※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限定です。カッコ内は吹き替えです。
インド版24、ファミリー・マンのスリカント・ティワリ
(↑スリカント・ティワリ。familymanamazonより)
『ファミリー・マン』はアマゾンプライムビデオが配信するインドのドラマで、てらそまさんは主人公の公務員捜査官スリカント・ティワリを担当しています。
インド版24ともいえるこのドラマで、仕事に家庭に奔走するお父さんがスリカント。
ハンサムでもなく、武芸に優れているとかカリスマ性があるとかでもない、見た目は普通の中年男性。
そんな主人公の吹き替えがてらそまさん!イメージどおりで安心できる吹き替え。
てらそまさんの声がスリカントのトカゲ顔をマイルドにしてくれてます。
いつどこで起こるかわからないテロを阻止するため、インドの諜報機関TASCで同僚のJKや部下のゾヤと日々働くスリカント。
彼の得意技といえば、相手の心を開かせて情報を聞き出すこと。
決め台詞は「母の死に目に会えなかった」。
よく使う手なのでお母さんは何度も死んでいます。
そうして実績を残し、彼の大ボス・クルカルニ長官からの信頼も厚く、新入りの女性捜査官ゾヤからの憧れの眼差しで見られるスリカント。
しかし家庭での彼の評価はあまり高くないようです。
妻のスチの不満は「仕事、仕事で家庭を顧みないところ」。
スリカントは、転職を考えるスチの心など心配する余裕もなく、仕事が第一。
スリカントが問題を起こした娘のことで学校に呼び出されても、仕事の電話で校長の話の途中で退席するなど、スチは爆発寸前。
そして二人の子どもも、家にあまりいないスリカントとうまくコミュニケーションがとれていないよう。
インドのドラマですが、日本の家庭でも同じようなことがあちこちで起こっているはず。
スリカントは家族のために仕事を頑張れば妻から「もっと家族と過ごせ」といわれ、子どもたちは「すごく働いてるのにお給料があまりよくない」ことを指摘してきたり…。
なんだか身につまされる…。
それでもテロを追いかけ阻止しようと奮闘するお父さんスリカント、そんな彼だからこそ応援したくなります。
テロを追いかける主人公といえば24のジャック・バウアーですが、スリカントはそこまで無茶はしません。
公務員としてできるギリギリのところで奮闘し(たまに自己責任で無謀なことはしますが)、一般市民からそう遠くないところにいそうなところが魅力。
で、てらそまさんの吹き替え。
直近のてらそまさんの吹き替えでは一番の「ぴったり感」。
激しい口調もあるのですが、仕事に奮闘、妻とのすれ違い、子どもに甘い「THE・お父さん」ってこんな感じだなぁと思わせる吹き替えパワー。
ぜひ吹き替え版で観て欲しいドラマです。
『ファミリー・マン』の詳しい人物紹介やあらすじ、見どころなどはこちらから↓
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『ファミリー・マン』シーズン1(吹替版)を観終わって前回はインドのドラマ『ファミリー・マン』の概要と登場人物を紹介。 前編同様、後編もネタバレだらけです、ご了承ください。[sitecard subtitle[…]
スチ/早川舞
JK/澤田龍一
ゾヤ/水嶋マミ
ムーサ/橘潤二
サミール少佐/江頭宏哉
出版社を経営、サバヨミ大作戦!のチャールズ・ブルックス
(↑チャールズ、かっこいい〜。youngertvより)
続きましてのいい人吹き替えです。
てらそまさんは『サバヨミ大作戦!』の主人公ライザが26歳と年をごまかし入社したエンピリカル出版の経営者チャールズ・ブルックスを担当。
チャールズは家出をした妻に代わって、男手一つで娘二人を育てるシングルファーザー。
まぁ素敵な紳士です、チャールズ。(でもシーズン終盤は頑固な男だと判明!)
経営者なので、リーダーシップがあって部下からの信頼も厚い。
しかもイケメンのお金持ちのストレートときたら女性はほっとかない!
そんなチャールズに思いを寄せる一人が、彼の部下で主人公ライザ(園崎未恵)のボス・ダイアナ(山像かおり)。
仕事では超強気の自信家ダイアナが、チャールズのこととなるとライザに相談したり、アドバイスを求めるなど乙女に変身。
毎回、ダイアナのチャールズに対する片思いの温度が高すぎて、それがツボにはまっている私。
なぜかダイアナの脳内では両思いで、チャールズが好きという気持ちを自分に伝えられないという都合のいいように変換されてるけど。
そんなダイアナの気持ちなどまったく気づかないチャールズ。
ある日、ベビーシッターが間に合わず急遽ライザが彼の娘の面倒をみることに。
自称26歳のライザですが、子育てが終了した実年齢40歳の実力を存分に発揮して、娘たちの世話を完璧にこなす彼女。
しかも読書家で本や作家の知識もある彼女を評価するチャールズ。
おっと、二人の間には何かが起こる???
(起こります!S3ラストから怒涛の勢いで!そして終盤はガッツリ話の中心になるくらい)
そして終盤に行けば行くほど男のエゴが見えてくるのがちょっとね…。(完璧な男はいないということ)
スリカントのがんばるお父さんとは少し違い大人の余裕を感じさせるてらそまさんの吹き替え。
そして色気も感じるシックなお声。
私はダイアナの吹き替えの山像かおりさんとの掛け合いが大好き。
チャールズのひと言に一喜一憂するダイアナの吹き替え、ライザにはピシャリと言葉を投げつける彼女がチャールズにはワントーン高くなり、ときにフワフワする声。
ぜひこちらも楽しんでほしいドラマです。
イメージ通りの印象!ザ・クラウンS5のチャールズ皇太子
(↑ダイアナ妃とチャールズ皇太子。thecrownfasより)
イギリス女王エリザベス2世が主人公のドラマ『ザ・クラウン』。
てらそまさんはシーズン5でのエリザベス女王(小宮和枝)の長男チャールズ皇太子を担当。
シーズン4で世紀の結婚式を挙げたダイアナ(北西純子)との結婚生活が完全に破綻を迎えたのがこのシーズン5。
私のチャールズ皇太子のイメージは「なぜその人(カミラ)と浮気か理解できない」
で、このドラマでどう描かれてるかというと、なるほどそういうことね、とある程度疑問の解決はできた感じ。
もう少し忖度した内容かと思ったら、マスコミの報道にあった内容をそのまま映像化。
例の浮気相手のカミラ夫人(本田貴子)との盗聴された電話も、テレビでのインタビューで浮気を認めダイアナとの結婚生活が破綻していることも、私が知ってることがそのまんま。
というわけで、ドラマ化されたチャールズ皇太子のイメージは、皇太子としての世間体よりも自分の気持ちに忠実だった不器用な男。
どうしてダイアナと結婚したのか、もし結婚しなかったらダイアナはここまで不幸にならなかったはず。
でも彼女も国の王子様から求婚されれば浮かれて応じてしまう若い女の子だった。
お互いに理解しないまま結婚してしまった不幸な二人。
どっちかが一方的に悪いわけではないだろうけど、女としてはどうしてもチャールズを悪役にしたくなる。
あと、母エリザベス女王との関係。
皇太子時代が長く自分の力が発揮できないと思い、皇太子の仕事は苦行と感じている。
しかし相手は女王、頭が上がらないし、女王は息子といえど出る釘はガッツリ打ってくる。
それでもチャールズに同情する気にはなれないのよ。
てらそまさんの吹き替えは、皇太子のプライドはあっても夫や父としての愛情がちっとも見えてこない優柔不断で冷たい印象。
演じるドミニク・ウェストはチャールズに似てないのに、ポケットに手を入れるポーズなど雰囲気がそっくり。
実物をもう少し意地悪くした感じと、てらそまさんのイラッとする吹き替えは嫌いじゃないけど。
(↑右端がチャールズ皇太子。thecrownfasより)
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
アンフォゲッタブルのアル・バーンズ
(↑アル&キャリー。therealpoppymontgomeryより)
『アンフォゲッタブル 完全記憶捜査』は、一度見たものを細部まで記憶できるという特殊能力を持った女性刑事キャリーが事件を解決していくドラマ。
てらそまさんはキャリーの同僚で元恋人のアル・バーンズを担当。
今は別の恋人がいるアルですが、再び一緒に仕事をすることになったキャリーとヨリを戻すのか、そうではないかの微妙なところも見どころポイント。
キャリーはその特殊能力のおかげでアルとの恋人時代の記憶も隅々まで覚えていますが、いい思い出ならいいけれど嫌なことまで忘れることができないのもたいへんそう…。
私はラブ・リーガルのローレンス・ブランド
事故死したモデルのデビーの魂が敏腕弁護士ジェーンの身体に入り込み、秘密を知る親友ステイシーや守護天使たちと協力しながら仕事に恋に奮闘するドラマ『私はラブ・リーガル』。
てらそまさんはシーズン4第12話に登場するやり手の弁護士ローレンス・ブランドを担当。
彼を演じるのは『アンフォゲッタブル』のアルと同じディラン・ウォルシュ。
こっちのキャラは主人公のジェーンと一緒に弁護を担当するも、自分勝手な行動で彼女をイラつかせる嫌なヤツ。
ただそれにはワケがあって実は彼はピック病(認知症の一種)で、ジェーンはそれを知り予想外の戦略で見事裁判に勝利。
アルとはまったく違うローレンスもさすがの吹き替えでした。
エイリアニストのジョン・ビーチャム
(↑中央が主人公のクライズラー。thealienisttntより)
19世紀のNYを舞台に、サイコパスの犯罪心理を探求する主人公の精神科医クライズラーと彼の仲間が独自に捜査班を組織し、事件を追うドラマ『エイリアニスト』。(ネットフリックスで配信中。2022.08.12現在)
てらそまさんが担当するのは、シーズン1を通して描かれる少年の連続殺人事件の犯人ジョン・ビーチャム。
実はこれは他人の名前で、男の本名はジェイフェス。
牧師の息子として生まれたが幼い頃本物のジョン・ビーチャムにレイプされ(後に彼の名前を名乗った)、そこから精神に異常をきたし子どもを殺すように。
なかなか捕まらないものの、クライズラーたちに追い詰められ瀕死の状態に。
そこで犯罪心理に取り憑かれているクライズラーに殺しの動機を聞かれるも答えないままビーチャムは死んでしまう。
そのときのクライズラーの顔。
犯人を捕まえて安堵するというより、研究対象として絶対死なせたくないと願うも、それが叶わなかったことへの悲しみが全面にでてて、この人もある意味病んでるなと少し怖くなりました。
てらそまさんが犯人役というのもちょっと珍しくて、しかも本人が登場するのは本当に終盤になってから。
その辺りもすごく印象に残ったキャラでした。
コールドケースのD.A.カイト
未解決の殺人事件を捜査&解決する『コールドケース 迷宮事件簿』、大好きなドラマです。
てらそまさんが吹き替えるのは主人公リリー・ラッシュ(田中敦子)の恋人D.A.カイト。
それほど登場回数は多くないのですが、リリーの性格がまんま出ているカイトとの関係がすごく印象的でよく覚えています。
カイトは検事補ですが、リリーが仕事に一生懸命すぎて破局。
仕事場では決して恋人感を出さないリリー、仕事にのめり込み恋愛を人生の最重要事項に選ばないクールな彼女らしいなと感じました。
ダークエイジ・ロマン 大聖堂のトム・ビルダー
ケン・フォレットの小説が原作の『ダークエイジ・ロマン 大聖堂』。
聖職者や時の権力者や貴族、そして石工など大聖堂建築をめぐる人々を描いた壮大なスケールの歴史ドラマ。
てらそまさんは主人公の石工トム・ビルダーを担当。
息子のアルフレッドと義理の息子のジャックを石工に育てる父でもあります。
トム、基本は頼れる素敵な男なのですが、実の息子アルフレッドにはめちゃめちゃ甘いお父さん。
その溺愛のせいかどうかはわかりませんが、アルフレッドは問題ありの要注意男。
まぁ義理の息子ジャックができすぎてアルフレッドと差がありすぎる、というのも問題を起こす要素のひとつ。
この優秀な息子ジャックを演じるのはエディ・レッドメイン、知的な石工役でこれで彼のファンになりました。
チェオクの剣のファンボ・ユン
フュージョン時代劇の先駆けともいえる『チェオクの剣』。
主人公の左捕盗庁の茶母(タモ)チェオクと彼女の幼馴染のファンボ・ユン、チェオクが潜入した盗賊団のボスのチャン・ソンベク、この3人を中心に、ワイヤーアクションも取り入れた新感覚の時代劇。
てらそまさんはファンボ・ユンを担当。
恵まれない身分ながら秀でた武芸で武官となる「できる男」。
演じるイ・ソジンの派手すぎない二枚目顔と、てらそまさんの落ち着いた声がいい組み合わせでした。
個人的には盗賊団のチャン・ソンベクを演じたキム・ミンジュンの方が好みです。
24 -TWENTY FOUR-のイケ・デュバク
(↑デュバク&恋人のエリカ。アマゾンプライムビデオより)
ジャック・バウアーが24時間全力でテロを阻止する『24 -TWENTY FOUR-』、てらそまさんはシーズン7で登場するイケ・デュバクを担当。
私的に珍しい悪役です!
でも、ちっとだけ悪役になりきれない箇所あり。
彼はアフリカにある架空の国サンガラで起きたクーデターの首謀者ベンジャミン・ジュマの部下。
デュバクはドラマ序盤の悪役で、サミュエルという名でアメリカに潜伏。
ジュマのアメリカ国内でのテロの準備をしている。
ちっとだけ悪役になりきれない箇所というのは、アメリカで知り合った恋人エリカを連れて出国しようとするところ。
極悪人なら自分を知っている恋人でも殺すでしょうが、デュバクは一緒にサンガラへいこうとします。
結局、それはジャックたちに阻止され、搬送先の病院で死亡。
彼のボス・ジュマの吹き替えは土師孝也さん。
てらそまさんの吹き替えはどこかに「いい人感」が残りますが、さすが悪のボス土師孝也さん。
冷酷非道なボスの吹き替えに「いい人感」はまったくありません。
あの土師さんの重低音はやっぱりボス声ですよね。
一部ですが、てらそままさきさんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
まだまだ紹介したいキャラはあるのですが、少しずつ追加していく予定です。
また、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
※当ブログで今まで紹介したドラマと声優限定です。
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