岡寛恵さんが吹き替えるハードな生き様の女たち
鼻にかかる柔らかい美しい声ですが、私が気になるキャラクターは目的のためなら障害を全力で突破して前に突き進むハードな女性「キャリー」と「アマンダ」。
どちらも「自分ならこんなの絶対ムリ!」とギブアップしそうなジェットコースターな人生を演じる彼女たちにソフトな岡さんの絶叫声が合うんです!
※紹介しているのは私が今まで観たドラマ限定です。
相談ナシで突っ走るホームランドのキャリー・マティソン
(↑キャリー・マティソン。sho_homelandより)
『HOMELAND/ホームランド』はテロを阻止するCIAの作戦担当官キャリーの活躍を描いたドラマ。
シーズンごとに舞台となる国や地域、テロ組織がかわります。
岡さんは主人公のキャリー・マティソンの声を演じています。
彼女テロと戦う熱い女性ですが、仕事のやり方はかなり危なっかしいんです。
とても有能ですが精神的に問題を抱え薬を服用して勤務、もちろんそれを隠していますが彼女にとっては大した問題ではないようで、目的のためには何でもやります。
ですが、まっすぐすぎて周りの人間に迷惑をかけまくる彼女。
家族や同僚、上司など周辺の人全部と、監視対象の人や協力者にも普通では考えられないほどの近さ(男性には体を使って接近)で接触します。
これも彼女が考える作戦のひとつですが「やりすぎだよ~キャリー」と何度突っ込んだか。
元上司のソールにいろいろ相談するも、結局独断で作戦を実行したりとにかく仕事のためなら突っ走るキャリー。
彼女にとってテロを未然に防ぐことが何よりも大切で、そのためなら何を犠牲にしてもいいと思ってるんでしょうね。
普通の人間にはなかなか理解できませんが…。
私は完全にキャリーを演じるクレア・デインズ本人が実生活でもキャリーみたいなんじゃないかと錯覚を起こすくらい、クレア・デインズと岡寛恵ペアの演技力が素晴らしいんです。
『HOMELAND/ホームランド』はピンチが次から次へとやってくる手に汗握るドラマ。
そういえば『24 -TWENTY FOUR-』シーズン7を見たとき、『HOMELAND/ホームランド』のプロデューサーのアレックス・ガンサの名前があって、「テロと戦うスリリングな展開」が似ているなぁと思わぬ発見をしました。
キャリー/岡寛恵、シーズン7より小林さやか
ブロディ/郷田ほづみ
ソール/小川真司、シーズン4より菅生隆之
クイン/檀臣幸、シーズン3より桐本拓哉
マギー/安永亜季
目的のためには手段を選ばないニキータのアマンダ
(↑向かって左がアマンダ、右がニキータ。thecwより)
『NIKITA/ニキータ』は秘密組織「ディヴィジョン」で訓練を受け優秀な暗殺者として活動していたが、ある日組織の実態を知りディヴィジョンへの復讐を誓うニキータの活躍を描いたドラマ。
岡さんはその主人公ニキータと戦い続けるディヴィジョンの幹部アマンダを担当。
アマンダを演じるメリンダ・クラークは目力が強い美人で、『CSI:科学捜査班』ではグリッソムが心惹かれる某クラブの女主人「レディー・ヘザー」を演じています。(吹き替えは勝生真沙子さん)
『NIKITA/ニキータ』は主人公のニキータがアジア系美女のマギーQ、スレンダーでアクションもバンバンこなすかっこいい女性。
そのニキータをサポートするアレックスは設定がロシア人ということで東欧系ゴージャス美女。
これだけ美女が揃ってますが、私のイチ押しは断然目つきの鋭すぎるアマンダ!
『NIKITA/ニキータ』を観る目的はアマンダといってもいいくらいお気に入り。
ヒール役なのでヤなこと言うしヤなことやるんですが、岡さんのドスの効いた低めの声がまぁ素敵。
その姿と声のバランスがいい、ホントいい!
この吹き替えのおかげで毎回「アマンダもっと登場して」と本気で思ってました。
さて、アマンダはニキータを追い詰め、痛めつけ、この世から消し去ることを使命としていて、そのためには手段を選ばないのですが、精神的に追い詰めるのがお得意の頭脳派。
綺麗な女性が演じるとこれまた迫力があっていいんですが、最終シーズンでアマンダの綺麗なお顔にデッカイ傷がついてしまうんですね。
しかしこの傷もまたいい味だしてて、昭和の悪役のお約束みたいで私は大好きです。
で、やっぱり岡さんの声ですよ。
岡さんはヒロインの役もたくさん演じていますが、やっぱりやっぱり悪役や影のある役がイチ押し。
ぜひ吹き替えで観てください!
強盗と偽札でピンチを乗り切る!グッドガールズのベス・ボーランド
(↑左からルビー、ベス、アニー。nbcgoodgirlsより)
次から次へと犯行を繰り返し、泥沼から抜けだせない主婦たちを描いたドラマ『グッドガールズ: 崖っぷちの女たち』。
岡さんは主人公エリザベス・ボーランド(通称ベス)を担当。
演じるのは顔はシャープなのに身体は超グラマラスなクリスティーナ・ヘンドリックス。
ベスは専業主婦で4人の子持ち、彼女の妹アニーは性同一性障害で男の子として生きる娘ベンと二人暮らし、ベスの親友ルビーは重い病を抱える娘を育てるウエイトレス。
この3人がそれぞれお金に困ってスーパーに強盗に入り、そこから次々と犯罪に手を染めていくという、なんとも悲壮感漂うストーリー。
それでもどこか笑えたり、応援したくなるところがあるのは 3人のキャラのおかげ。
3人を仕切るのが岡さん演じるベスで、スーパー強盗で盗んだお金が実はギャングのもので、そのギャングに脅され仕事を請け負うことに。
強盗の次は偽札の密輸、その次はその偽札の洗浄、さらには自分たちで偽札作りまで始めるというエンドレス犯罪泥沼。
新たに犯罪に走るキッカケはいつも金銭問題。
ひとつ解決したら次の金欠問題が浮上と、いつまでたっても足が洗えない状態。
終いには、お金に困ったら強盗!というシステムができあがるまでに。(ベスが手編みで強盗用マスクをササッと作るのが好き)
岡さんが演じるベスは仕方なく犯罪に加担するも、だんだんとギャングのボスのリオ(中川慶一)に惹かれていき、関係を持ってしまう。
しかし、所詮はボスとその駒という関係。
やめようやめようとするも、リオは容赦なく仕事を押し付けてくる、断れば家族を殺すと脅される最悪の状態。
よくあんな綱渡り状態で子ども4人育てられるなぁと感心してしまうベス。
夫のディーンは浮気したり投資で失敗したり商売の仕方が昭和のままとか、少々情けない男。
おまけに妹のアニーは深く考えずその場しのぎの生き方でハラハラさせられっぱなし。
親友のルビーは家族思いのいいお母さんで、犯罪をなんとか止めようとするも結局流されて加担するちょっと弱い部分も。
そんな二人や家族を守ろうと奮闘するベス。
犯罪者なのにどっか応援したくなるのよ。
しかもクリスティーナ・ヘンドリックス&岡さんが演じているので生活に疲れた主婦のはずなのに色っぽいこと。
リオや殺し屋もそりゃ手をだしたくなるわと納得。
(↑ベスとリオ。nbcgoodgirlsより)
現在も休業中の岡さん(2022.12現在)はシーズン2まで、シーズン3からは斎藤恵理さんがベスを担当。
この交代劇はこちらでも紹介しています。↓
ある日、吹き替え担当が交代するのはなぜ?「あれ?吹き替えかわった、なんで?」と思うこと、ありませんか。交代に気づくこともあれば、しばらくして何かの拍子で「いつのまにか吹き替えが変わってる!」と気づくことも。病気療養や死去にともなうこ[…]
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
マッドメンのジョーン・ホールウェイ
(↑ジョーン(右)とペギー(左)。madmen_amcより)
『マッドメン』は、1960年代のNYマディソン通りにある広告代理店スターリング・クーパーを舞台に、秘密を抱えながら刹那的に生きるドンが主人公のドラマ。
岡さんはスターリング・クーパーのフロアを取り仕切る女子社員のボス的存在ジョーン・ホールウェイを担当。
まだシーズン6の途中までしか観ていないので、彼女が最終的にどうなるかはわかりませんが、『マッドメン』にでてくる女性キャラの中で1、2を争う激動の人生なのではないでしょうか。
シーズン1ではドンの秘書ペギーの指導をし、女子社員が会社で上手に生き残っていく方法を伝授。
でも野心家のペギーはそれに満足せず、いつしかジョーンの忠告を聞かなくなりますが。
序盤は「スペックの高い夫」を探していたジョーン、でもコレ!と思って結婚した医師の夫とは離婚することに。
シーズンが進むごとに、仕事にやりがいを求め一人で子どもを育てる覚悟を決めるジョーンは男に頼らない生き方に変化していきます。
スターリング・クーパーの女子社員の中で男性社員も一目置くジョーン。
ペギーが目標に向かって猪突猛進タイプなら、ジョーンはもっと賢く立ち回る策士タイプ。
おまけに誰もが二度見する美貌とナイスバディの持ち主。
岡さんの声が「匂い立つような色気」と「仕事はキッチリこなす」という共存しにくいキャラを上手に演じています。
シーズン5では新規の大口顧客候補から「一夜を共にしたい」というとんでもない要望が。
怒るジョーン、でも会計責任者のレーンから「条件」を提示されると子どもを抱えた自分の将来を考え、一夜を共にするかどうかの決断をします。
この決断も、その後の彼女の振る舞いも潔くてスマートで「お色気担当」だと決めつけていたジョーンを見直しました。
『マッドメン』S1吹き替え版のレビューはこちら↓
数話でリタイアしたマッドメンに再トライしてみた現在アマゾンプライムビデオで配信中の『マッドメン』(2020.10.31現在)。10年以上前に挑戦し、数話でリタイアしたのですが、最近プライムビデオで発見し、なぜか「もう一度観てみよう」[…]
善徳女王のミシル
(↑ミシル。kohyunjung.idより)
岡さんは新羅の善徳女王の波乱に満ちた生涯を描いた韓国のドラマ『善徳女王』で敵役ミシルの声を演じています。
美貌と頭の良さで自ら王になろうとする野心家の彼女、主役のトンマン(善徳女王、吹き替えは甲斐田裕子さん)を徹底的にいたぶる美人最強ヒール。
はい、私の大好きな悪役の岡さんが楽しめるミシル、オススメです。
太陽を抱く月のチャン・ノギョン
『太陽を抱く月』は朝鮮王朝の世子(皇太子)のイ・フォンが、一度は婚礼直前に呪いで死んだとされた初恋の相手ヨヌと再会するも記憶を無くしていた彼女と再び運命が動き出すというドラマ。
岡さんは親友の巫女アリ(吹き替えは木下沙華さん)から託されたヨヌを影で助ける巫女のチャン・ノギョンを担当。
そもそも大妃がポギョンを世子の正妃にしたいためヨヌに死の呪いをかけたのはこのチャン・ノギョン。
でもヨヌの死を偽造し匿い、巫女として育てたのも彼女。
大妃と今は亡き親友のアリとの板挟みの国巫(国最高位の巫女)もたいへんです。
ダークエイジ・ロマン 大聖堂のアリエナ
(↑アリエナとジャック。perioddramacouplesより)
ケン・フォレットのベストセラー小説が原作の『ダークエイジ・ロマン 大聖堂』、面白いです。
岡さんは伯爵の娘アリエナ役、彼女はいろんな男性に好意を持たれる聡明で美しい女性。
そのアリエナのハートを射止めたのは、今やハリウッドで主役をはるエディ・レッドメイン演じる建築職人の弟子ジャック。
私はこれでエディ・レッドメインのファンになりました。
2人の恋以外にも、タイトルにあるように大聖堂の建築や政治、陰謀、策略に大人の恋模様、豪華な吹き替え陣などなど見応えありのドラマです。
ハワイファイブオーのレイチェル・エドワーズ
『HAWAIi FIVE-O』はハワイを舞台にスティーヴとダニーを中心としたチームで事件を解決するアクションドラマ。
岡さんはダニー(吹き替えは山路和弘さん)の別れた奥さんレイチェルを担当。
娘と一緒にハワイで暮らすようになり、それを本土から追いかけてきたのがダニー。
ダニーは娘に会いたいのはもちろん、奥さんのレイチェルにも少し未練があるようで…。
そんな男心を振り回してしまうレイチェルは、同性から見ると少々イライラしますがね。
救命医ハンクのニーナ・グリーン
『ロイヤルペインズ 〜救命医ハンク〜』は、高級住宅地ハンプトンズでセレブお抱えの医師「コンシェルジュ・ドクター」になった主人公ハンク・ローソンの活躍を描いた医療ドラマ。
岡さんはシーズン3で登場するハンクの患者でプロゴルファーのジャックの腎臓専門医ニーナ・グリーンを担当。
グリーンを昔シットコムの子役で活躍してた人じゃないかとハンクに聞くジャック。
その答えはジャック亡き後、グリーンが白状しますが。
とにかく医者のいうことを聞かないジャックに手を焼くハンクとグリーン。
治療法を決めるのもコイン投げで決めたり。
その後、容体が急変し亡くなったジャックのことでショックを受けるハンクが話をしにいったのは戦友のグリーンでした。
私はラブ・リーガルのヴァネッサ・ヘミングス
(↑ヴァネッサ・ヘミングス。mukinu2より)
『私はラブ・リーガル』はモデルのデビーが事故で一度天国に行ったものの、弁護士ジェーンの身体を借りて生き返り恋に仕事に奮闘するドラマ。
岡さんは主人公ジェーンが思いを寄せるグレイソンの恋人ヴァネッサ・ヘミングスの声を演じています。
グレイソンは、ジェーンが亡くなった恋人デビーの生まれ変わりと知らずいろんな女性と付き合うのですが、ヴァネッサもその中の一人。
スレンダーな美人弁護士にグレイソンが一目惚れ、その前はジェーンを見下す弁護士キムとも付き合ってました。
『私はラブ・リーガル』を観てる人はみんな思ってるはず「グレイソン、女見る目ない」ってね。
【2019.6.19追記】
2019年2月に更新された岡さんのブログによると、現在機能性発声障害を患い、治療に専念するため長期間お仕事をお休みしているようです。
一日も早いご回復を願っています。
そしてあの鼻にかかる美声をまた聞ける日を楽しみにしています。
岡さん、お身体ご自愛くださいませ。
一部ですが、岡 寛恵さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
気になるキャラは随時追加していく予定です。
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