声に貫禄を感じる一城みゆ希さんの吹き替え
ハスキーしゃがれ系といえばいいのでしょうか、一城みゆ希さんの吹き替えは威厳と貫禄と凄みを感じるキャラが多いような気がします。
一城さんの声が聞こえるとどこか緊張感が走るのは私だけでしょうか??
THE伯爵夫人、ダウントン・アビーのバイオレット・クローリー
(↑どうよ、この貫禄。バイオレット・クローリーさま。downtonabbey_officialより)
『ダウントン・アビー』、20世紀初頭のイギリスの貴族クローリー家とその使用人たちの人間模様を描いたドラマ、世界中で大ヒットしました。
私も大好きなドラマです。
2020年には映画版がが公開されました。(まだ観てませんが…)
一城さんが吹き替えるのはクローリー家の先代伯爵夫人バイオレット・クローリー。
現当主のグランサム伯爵のロバートは彼女の息子です。
大きなお屋敷「ダウントン・アビー」が舞台で、バイオレットを筆頭にクローリー家の面々は毎日の着替えやヘアメイクなどは専属の使用人にしてもらうという庶民からは程遠い世界のお話。
でもそこに暮らす人々の悩みや喜びは、現代に生きる私たちも共感できることがいっぱい。
先代伯爵夫人のバイオレットはわかりやすい「THE伯爵夫人」。
使用人との間には明確な線引きがあり、自分のいる貴族社会は永遠に続くと思っていそうなご婦人です。
そんなバイオレットの前にある日、ライバルともいえる人物が現れます。
それはイザベル、クローリー家の長女メアリーの婚約者マシューの母です。
タイタニックの沈没により婚約者を失ったメアリーの新たな婚約者がマシュー、彼は母のイザベルと一緒にダウントンにやってきます。
マシューは弁護士、イザベルは元看護師というちゃんとした職業を持った庶民派貴族の親子。
最初はマシューもイザベルもクローリー家の貴族のしきたりになかなかなじめません。
そんな中、新入りのイザベルはクローリー家の大ボスともいえるバイオレットとバチバチ火花を散らすわけですよ。
貴族頭脳のバイオレットと現代的な考え方のイザベル。
二人のやりとりの面白いこと。
貴族のしきたりを重んじるバイオレットに土足でガンガン踏み込む庶民派イザベルの度胸、どっちも好きです私は。
声を荒げることはないけど、自分を貫くバイオレットがイザベルのやることなすこと気に入らないさまが面白くて。
まぁイザベルも「自分なりの正義」をかざしてバイオレットに上手に立ち向かっていくのは年の功でしょう。
ベテランマダムたちの駆け引きは、メアリーがイーディスをマウンティングするのがかわいく思えるくらいの重々しさ。
そこに一城さんのバイオレットの吹き替え!
一城さんの他の吹き替えたキャラに比べて、かなり低いところから声が出ててしゃがれ度もかなり高め、そしてシニアらしく話し方もゆっくり。
プライドの超高い貴族のおばあさまのどストライクなイメージ。
といいながら最初は「声にクセのあるおばあちゃんだこと」と一城さんの吹き替えに気づかないほど…。
シーズンが進むにつれ、バイオレットとイザベルの関係に変化があらわれます。
なにかとあればもめていた二人ですが、お互い自分の気持ちをストレートに話せる大切な相手だということに気づき始め、友情を育んでいくのです。
やだ、素敵。
片思いじゃなくてマダム二人の両思いってのがいい。
友情を育むのに年は関係ないってことね。
バイオレットの印象的な行動は、クローリー家の二女イーディスが未婚で妊娠し密かに出産しようと叔母(バイオレットにとっては娘)のロザムンドとスイスに行こうとするとき「なにかある」と察し白状させること。
さすが!だてに年取ってないですバイオレットさまは。
イーディスの妊娠を責めるでもなく秘密を家族に暴くでもなく、ちゃんとイーディスの力になってあげるところがさすがボスって感じ。
まぁ娘のロザムンドにいいとこ持っていかれたくなかったのかもしれませんが。
そういうチラリと見える愛情深さもバイオレットのいいとこです。
脱獄までする社長夫人、アグリー・ベティのクレア・ミード
(↑クレア・ミード。uglybettytvより)
日本では2007年から放送が始まった『アグリー・ベティ』。
ファッション誌「モード」で働くことになったイケてない主人公ベティが、持ち前の素直さと頭の良さで仕事に恋に奮闘するドラマ。
毎回観終わると元気がもらえた大好きなドラマです。
かなり前の作品なので記憶があやふやな部分もありますが。
一城さんは主人公ベティが勤めるミード出版の社長ブラッドフォードの妻クレア・ミードを担当。
社長夫人らしいゴージャスでモデルばりのスタイルのよさ、もちろん美しい。
そんな何もかも手に入れたような社長夫人のクレアでも手にできなかったものが夫の愛。
夫のブラッドフォードには愛人フェイがいて、それが原因でクレアはアルコール依存症に。
しかも愛人フェイを殺した罪で刑務所へ、でも脱獄!社長夫人が脱獄ですよ。
子どもは二人、一人はベティの上司でチャラいイケメン、モードの編集長ダニエル(吹き替えは東地宏樹さん)。
もう一人は元は男性だったが性同一性障害で手術を受け女性になったというアレクシス(吹き替えは安藤麻吹さん)。
かなり複雑な家庭環境。
実はクレアには隠し子がいて、ファッションモデルとしてデビューしたりなど。
こうやって紹介してるとはちゃめちゃなご婦人かと思いきや…。
夫のブラッドフォードを愛しているからこそ離婚しないし、でも愛人殺しちゃうけど。
子どもももちろん大切に思っていて実はとっても愛情深い人。
主人公のベティとも信頼関係を築いていて、母のいないベティにとってはクレアはどこかママを感じるところがあったのかも。
素直だけど少々頑固なベティもクレアのいうことはちゃんと耳を傾けるし、クレアもベティの頭の良さと人柄をかってて頼りにしてるし。
ゴージャスな社長夫人でありながら、懐に飛び込みやすいというか、どこかあったかさを感じる素敵なキャラ。
一城さんのハスキーしゃがれ系のお声は、クレアのようなお金持ちキャラに凄みをプラスできるのがいいところ。
あのルックスにあの声で登場されたら新人女子ならお漏らしそうな迫力。
でもどこか優しさを感じるのも一城さんの声の魅力なんですよね〜。
もちろんあの声は酒やけしたバーのママとかも似合いそうですが。
(↑クレア・ミードを演じたジュディ・ライト。judithlightより)
おまけ|グッド・ファイトのルッカの母
あと、『グッド・ファイト』のやり手の若手弁護士ルッカ・クインの母もクレア・ミードを演じたジュディス・ライトが担当。
もちろん吹き替えは一城さんです。
ルッカの出産のとき、赤ちゃんの父コリンの母と宗教のことで病室で一悶着起こします。
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定です。
NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班のヘティ・ラング
(↑カレンとサムに囲まれたヘティ。ncis_losangeles_より)
『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』は『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』のスピンオフドラマで潜入捜査で事件を解決していくドラマ。
一城さんはチームの管理部長のヘティ・ラングを担当。
小柄でいつもきちんとスーツを着こなし、カップ&ソーサーで優雅にお茶を嗜むご婦人。
今は捜査官の衣装などのサポートが仕事ですが、時おり「えっ、そんなことできるの?」的な昔の片鱗が見えたりすることも。
それがまためちゃくちゃかっこよくて、さすがヘティさまだわと感心してしまうんですよね。
ヤング・シェルドンのばぁばことコンスタンス
(↑ばぁばとシェルドン。youngsheldoncbsより)
『ビッグバン★セオリー』の主人公の一人シェルドン・クーパーの幼少時代を描いたドラマ『ヤング・シェルドン』。
一城さんはシェルドンのおばあちゃん「ばぁば」ことコンスタンス(コニー)を担当。
9才で高校に入学をした天才児シェルドンのよき理解者であるばぁば。
オシャレでおおらかで適当であけすけで、口がちょい悪くてギャンブル好きで借金があって婿のジョージをからかうのが好きなばぁば。
シェルドンの向かいに住んでいて、毎日シェルドン宅でご飯を一緒に食べるような密な関係。
彼女の娘でシェルドンの母メアリー(吹き替えは冬馬由美さん)はばぁばと正反対で、信心深いキリスト教徒。
どうしたらこの母からこんな娘が生まれたのは不明。
いろんなことを理詰めで考えるシェルドンは決して扱いやすい子どもではないけれど、普通の子どもとして扱う部分と、天才児ゆえの行動(大学での聴講など)も理解し手助けする優しいばぁば。
シェルドンが家族を振り回す場合もあれば、ばぁばが振り回すことも多々あり。
シェルドンをムーンパイと呼ぶキュートで憎めないばぁば、同じおばあちゃんでも『ダウンントン・アビー』のバイオレットとはかなりタイプが違いますね。
(↑ばぁばと孫3人。youngsheldoncbsより)
スキャンダルのマヤ・ルイス
(↑マヤ・ルイス。scandalabcより)
『スキャンダル 託された秘密』は主人公オリヴィア・ポープがあの手この手でスキャンダルを封じるフィクサーの活躍と人間ドラマを描いたドラマ。
オリヴィアはアメリカ大統領と不倫関係にあり、彼女自身もスキャンダルの爆弾を抱えて生きています。
二人の付かず離れずのドロドロの恋愛事情も見どころのひとつ。
一城さんはそのオリヴィアの母マヤを担当。
実は最初マヤの吹き替えは弥永和子さんが担当してたんですよね。
マヤを演じているのがカンディ・アレキサンダーで、弥永さんは『CSI:マイアミ』でカンディ演じる検死官アレックスを担当していたのでその流れでマヤも担当していたと思います。
が、弥永さんは2014年お亡くなりになっているので一城さんにバトンタッチされたのではないかと。
さて、マヤですがオリヴィアの母です。
いろんなスキャンダルをもみ消すオリヴィアを生んだ母ですから、こちらも一筋縄ではいかない女性です。
オリヴィアは、母マヤは飛行機事故で死んだと聞かされていましたが、実は父イーライによって監禁されていたんですね。
父は政府の秘密組織のリーダー、母はその父に監禁されていたテロリスト、娘オリヴィアはやり手のフィクサーで大統領の愛人というポープ家。
アンタッチャブルな治外法権ファミリーですね…。
吹き替えが弥永和子さんから一城みゆ希さんへ交代したような声優交代劇はこちらでも紹介↓
ある日、吹き替え担当が交代するのはなぜ?「あれ?吹き替えかわった、なんで?」と思うこと、ありませんか。交代に気づくこともあれば、しばらくして何かの拍子で「いつのまにか吹き替えが変わってる!」と気づくことも。病気療養や死去にともなうこ[…]
キリング・イヴのヴィラネルの母タチアナ
(↑ヴィラネルの母タチアナ。killingeveより)
美人サイコパスので殺し屋のヴィラネルと彼女を追うMI6の捜査官イヴの攻防を描いた『キリング・イヴ』。
二人の女が互いに惹かれながら追いつ追われつを繰り返しつつ、少しずつ互いの感情に変化がみえてきます。
ヴィラネルに出会ったせいでいろんなものを失ったイヴは、一旦、MI6やヴィラネルから離れますが、なんだかんだで再び彼女を追うことに。
不思議な糸にからまった二人はいったいどうなるんでしょうか?
シーズン3まで観ましたが、まだまだ続きそうですね。(2021.11現在)
一城さんはシーズン3で登場するヴィラネルの母タチアナで登場。
施設に預け、そこで死んだと思っていたヴィラネルが突然現れ、タチアナは歓迎はしたものの、結局ヴィラネルと対立し彼女に家をでていけと告げます。
そこからがさすがヴィラネル!
実の母でありながら彼女の再婚相手も含め、躊躇なく放火で殺してしまいます。
ただし、自分にとって大切な実の弟はちゃんと生き残るようにして。
あのヴィラネルを生んで施設に預けた母ですから、一筋縄ではいかない女。
一城さんのお下品な女の吹き替えをぜひご覧あれ。
(↑母の後始末が終わったヴィラネル。killingeveより)
リーサル・ウェポンのルーシー・クラムホルツ
(↑リッグスとマータフ。lethalweaponfoxより)
怖いもの知らずで妻の死で自殺願望のある刑事マーティン・リッグスと、ベテラン刑事のロジャー・マータフのコンビが事件に挑むドラマ版『リーサル・ウェポン』。
一城さんはシーズン2で登場するルーシー・クラムホルツを担当。
彼女は宝石店で強盗に遭遇し、捜査に当たったリッグスと知り合います。
みすぼらしいかっこに図々しい謎のおばちゃん、怖いもの知らずのリッグスを手玉に取るかなりの強者。
そして人の心が読めるなんとも不思議な彼女は、リッグスの心の弱い部分の核心をついてきて、なんやかんやで仲良くなる二人。
トレーラハウスに住むリッグスのお隣に引っ越して二人で麻雀したりも。
結局、また放浪の旅にでるルーシーですが、あのリッグスが少し寂しそうだったのが印象的でした。
デクスターのバレリー・ホッジス
殺人の衝動を抑え切れない警察の鑑識官デクスター・モーガン(桐本拓哉)が法で裁けない犯罪者を殺していくドラマ『デクスター 〜警察官は殺人鬼』。
一城さんは主人公デクスターの養父ハリー(仲野裕)の愛人バレリー・ホッジスを担当。
デクスターの妹デボラ(木下紗華)が父ハリーの秘密を探るため、情報屋に連絡を取り浮気相手を探していたところ連絡の取れた唯一の相手がバレリー。
信じ切っていた父の知らなかった一面を知るデボラ。
そして父のもうひとつの顔は兄デクスターの秘密へとつながっていくのですが…。
ザ・クラウンS5のモニーク・リッツ
イギリス女王エリザベス2世(小宮和枝)が主人公のドラマ『ザ・クラウン』。
一城さんはシーズン5で登場するモニーク・リッツを担当。
彼女はパリのホテル・リッツの社長。
その交渉相手はモハメド・アルファイド、エジプトの大富豪で故ダイアナ元妃(北西純子)と一緒に事故で亡くなったドディ・アルファイドの父親。
彼女は相手が黒い噂のあるアルファイドということで買収が受け入れ難いよう。
しかしアルファイドはモニークの屈辱的な扱いに立腹。
だが、彼の高額での買収と、ホテル・リッツをもう一度復活させるという情熱に応え(たぶんお金に心が揺らいだ)買収に応じることに。
エジプト人を明らかに下に見つつ、お金のパワーに屈服した社長モニーク。
私の好きな一城さんの嫌味な女、ほんの一瞬の登場ですがなかなか印象的です。
フレンズのジュディ・ゲラー
(↑ゲラー一家。ross.the.divorce.forceより)
『フレンズ』はニューヨークを舞台にした男女6人が織りなすシットコムドラマ。
今から20年以上前のドラマなのでどの程度の人が知ってるか不明ですが、私が本格的に海外ドラマにハマるきっかけともなった思い出深いドラマです。
一条さんが担当するのは主人公の6人の中のロスとモニカ兄妹の母ジュディ・ゲラー。
兄のロスは優しくていい人ですが女性運はあんまりよくないかも??
頑固なところもあり、個人的には主人公の3人のメンズ(ロス、チャンドラー、ジョーイ)の中では一番「ないタイプ」かも。
妹モニカは子どもの頃太っていたがダイエットに成功、現在はシェフとして活躍する潔癖症。
そのモニカに会うたびに小言をいうのが母ジュディ。
たまにしか出てこないのですが、モニカの神経質なところはこの母のお小言のせいかも?と思わせるクセモノ母さんです。
私の名前はキム・サムスンのナ・ヒョンスク
(↑残念ながらアマゾンプライムビデオは字幕版のみです)
『私の名前はキム・サムスン』面白いドラマですよね〜。
これもけっこう昔のドラマなんですが、毎回ワクワクしながら観てました。
主人公はパティシエのキム・サムスン。
「サムスン」という名前が気に入っていない仕事も恋もなくしたキム・サムスンが、ひょんなことからお金持ちのヒョン・ジノンとニセの恋愛関係を演じることになり、そこから二人の関係が本物の恋愛にかわっていくという王道韓流恋愛ドラマ。
キム・サムスンを演じる美人すぎないキム・ソナと、ヒョン・ジノンを演じるヒョンビンの超絶男前の組み合わせが「ちょっとだけリアリティを感じさせる女子が大好きな夢物語」で面白いんですよっ。
一城さんはヒョン・ジノンの母ナ・ヒョンスクを担当、ホテルの経営者です。
演じるのは韓流ドラマのお母さんやおばあちゃん役でお馴染みのナ・ムニ。
でも観てからかなり時間が経っていてナ・ヒョンスクのエピソードを思い出せないんです…すいません。
でもドラマは面白いので機会があればぜひ観てください。
一部ですが、一城みゆ希さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
どのキャラも一城さんの声をいかしたひとクセもふたクセもあるご婦人揃い。
まだまだ紹介したいキャラはあるのですが、少しずつ追加していく予定です。
また、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
※当ブログで今まで紹介したドラマと声優限定です。
にほんブログ村
海外ドラマランキング