訪問ありがとうございます。海外ドラマの吹き替えで気になる声優さんと、演じた新旧交えたドラマのキャラクターを自分勝手に解説中!主役はもちろん、サブや1話限りの吹き替えなど、とにかく印象に残ったキャラを紹介。また、レビューや視聴中のドラマ紹介、ブログ運営にまつわることなども投稿しています。コメントはお気軽に!

10年ぶりに再挑戦!マッドメンS1吹き替え版レビュー

数話でリタイアしたマッドメンに再トライしてみた

現在アマゾンプライムビデオで配信中の『マッドメン』(2020.10.31現在)。
10年以上前に挑戦し、数話でリタイアしたのですが、最近プライムビデオで発見し、なぜか「もう一度観てみよう」と思いシーズン1を完走しました。
リタイアした理由や、シーズン1を完走して感じたことなどまとめてみました。
※ネタバレあります。

最初観たときは面白さをまったく感じなかったマッドメン

(↑プライム会員ならS1〜7まで追加料金なしで視聴可能(30日間無料体験もあり)(2020.10.31現在))

『マッドメン』はニューヨークのマディソン通りにある広告代理店で働く広告マンを指す言葉。
広告代理店スターリング・クーパーのクリエイティブ・ディレクターのドンが主人公。
10年以上前に観たときは「どこが面白いポイントかわからない」と即リタイア。
その理由は…

●主人公ドンが苦手
●1960年が自分の知らない時代で「古臭さ」しか感じなかった
●オープニングのビルから落ちる男が暗くて、観る意欲をなくした
●スリルやサスペンスなどはなく、どこが盛り上がるポイントかわからず物足りなかった

こんな感じです。
それがどういうわけか「もう一回観てみよう」と思ったわけです。
深い理由はまったくありません。

主な登場人物

※カッコ内は吹き替え

スターリング・クーパー広告代理店

●ドナルド・ドレイパー(通称ドン)(主人公/山寺宏一)
広告代理店スターリング・クーパーのクリエイティブ・ディレクター。
クリエイティブ・ディレクターとは広告の方向性を決める責任者。
会社のお偉いさんも同僚もライバル社も一目置く敏腕ディレクターで、女性にモテる。
美人妻と二人の子どもと郊外に暮らす。

 
 
 
 
 
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(↑ドン・ドレイパー。madmen_amcより)

●ロジャー・スターリング(共同経営者/内田直哉)
ドンの上司でフロア・マネージャーのジョーンと浮気をしている。

 
 
 
 
 
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(↑ロジャー・スターリング。madmen_amcより)

●ピート・キャンベル(営業担当/石田彰)
出世欲が強く、そのためなら上司にあからさまにゴマをすったり脅したりも厭わない男。
結婚直前にペギーと関係を持つ。

●ペギー・オルセン(ドンの秘書/小林沙苗)
秘書として勤めはじめるが、ある仕事でアイデアを認められコピーライターになる。
男性と同等に仕事で認められたいと奮闘するが、同僚たちからは少々疎まれるような存在。

 
 
 
 
 
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(↑ピートとペギー。madmen_amcより)

●ジョーン・ホールウェイ岡寛恵
フロアを取り仕切るフロア・マネージャーで、女性たちからは特に一目置かれる存在。
新人のペギーに親切にあれこれ教えるが、キャリアを積むごとにペギーは彼女のアドバイスに疑問を感じだす。

(↑ジョーン・ホールウェイ。madmen_amcより)

●バートラム・クーパー(経営者/佐々木敏)
日本かぶれで自室に入るときは靴を脱がせる。
ドンの正体を知ったとき、彼の優秀さを認め罪を見逃している。

●ハーマン・“ダック”・フィリップス(営業責任者/仲野裕)
ドンの昇進で空きができた営業責任者としてやってくる。

主人公ドンの関係者

●ベティ・ドレイパー(ドンの妻/冬馬由美)
仕事でドンと知り合い結婚した妻で元モデル。
子どもを二人育てる専業主婦。
ストレスを抱え、精神科医にかかっている。

 
 
 
 
 
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(↑ベティ・ドレイパー。madmen_amcより)

●レイチェル・メンケン(ドンの顧客/田中敦子
ユダヤ人でデパート「メンケンズ」社長。
従来とは違う広告アプローチをしたいとスターリング・クーパーを訪れドンと知り合う。
ドンに惹かれるが、彼が妻帯者と知り葛藤するも一線を超えてしまう。

●ミッジ・ダニエルズ(イラストレーター/加納千秋)
ドンの愛人。
束縛しない自由な恋愛を楽しむ自立した女性。

●アダム・ホイットマン(ドンの弟/檀臣幸)
ドンが戦死した兄ディック・ホイットマンと見抜き、会いにきた異母弟。
ドンに何かを期待していたわけではなく、兄と弟として関係を築いていきたいと願うがドンは拒否する。

大まかなあらすじ

若干ネタバレあります、知りたくない方は飛ばしてください。

 
 
 
 
 
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(↑madmen_amcより)

主人公ドンは優秀なクリエイティブ・ディレクターとして、斬新なアイデアで次々と顧客の希望を叶えていく。
その顧客の一人、デパートの女社長レイチェルに惹かれ一線を超えたり、イラストレーターのミッジとは互いを束縛しない関係だったりと女性関係も華やか。
広告の賞を受賞するなど充実した日々をおくるドンの前に、弟と名乗る男アダムが現れる…。

ドンの秘書としてスターリング・クーパーで働き始めたペギーは、秘書のノウハウをフロア・マネージャーのジョーンからあれこれ教わる。
入社初日に営業のピートと関係を持ってしまうが、その後の関係はピートの本心がわからなくギクシャクする。
ある口紅のプロモーションでペギーのコピーが採用されコピーライターに出世、どんどん仕事に熱中していくが、ある日強烈な腹痛に襲われ入院する…。

営業マンのピートは結婚するが、だんだん妻と価値観があわないことに気づいていく。
ペギーと関係を持つが、その後彼女が仕事で実績を上げていくことや、男性と同じように仕事をするのが気に食わない。
ドンが共同経営者に昇進したとき、彼の後釜を狙いドンに脅しをかけるが失敗する…。

上記以外にもドンの妻のベティの不安定さや、ドンの上司のロジャーとジョーンとの関係、ピート他男性社員の嫉妬ややっかみ、セクハラ、人種差別、同性愛などさまざまな人間模様が描かれています。

見どころポイント

 
 
 
 
 
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(↑madmen_amcより)

セクハラ、人種差別、酒、タバコが当たり前の1960年

今から60年前の広告代理店がストーリーの中心。
メインで仕事をするのは男、女の仕事は秘書などのサポートが当たり前の時代。
顧客でユダヤ人の女社長のことを「女のくせに」という広告マンたち!
女は仕事ができないもの、と決めつける男たちの価値観が当時の普通で、それを当たり前だと受け入れている女性にも衝撃を受けました。
何百年も昔の話じゃないのにこの女性蔑視!
あと、黒人の作業員が一緒にエレベーターに乗るのに断りが必要だったり、黒人のバーテンダーといくつか言葉を交わしただけでバーテンダーの白人上司が「何か失礼があったのでは」と探りにきたり。
そういえばシーズン1のスターリング・クーパーには黒人の営業マンやディレクター、秘書はいなかった…。
あと、今では信じられないですが自分のデスクでタバコが吸えたり、女性の喫煙率もかなり高かったり、勤務中にお酒を飲んだりなど。
そういえば私が社会にでた当時は分煙は進んでなくて、オフィスには普通にタバコの煙がありましたが…。

主人公ドンの強烈な生きざま

最初に『マッドメン』を観たとき、主人公ドンがすごく苦手でした。
なんか自信満々で偉そうでとっつきにくくて…。
今回シーズン1を観終わってその印象は変わりませんでした、というよりもっと「やな奴」だと確認できたくらい。
仕事はできるけど女性への誠実さはまったくない男。
家族にはよき夫や父のふりをして、気になる女性にはちょっかいをだす。
仕事に没頭し、ときに香水のにおいを体につけ帰ってくる、育児はもちろんワンオペで妻はストレスを抱えているというのに自分に責任があるとはまったく気づかない男ドン。

大きな秘密を抱えるドンは、その不安を解消するために酒を飲み、女性に手をだす。
こんな男が求める幸せとは?仕事?家庭?いや家庭ではないはず。
この生き急ぐ破滅タイプのドン、やっぱりやっぱり好きになれない…。

みんなの認められたい欲求

秘書からコピーライターに昇進したペギー。
ただの秘書では終わりたくない!男性と同等に仕事したいと頑張る彼女。
そういう女性もいれば、彼女に会社での上手な立ち回りを教えるフロア・マネージャーのジョーンは上司と不倫しながらも、よりよい結婚相手を求める計算高い女性。
そして女性が働くということは、有能な男性に結婚相手として認めてもらうためと思っているジョーンやその他の多くの女性社員たち。
その結果の典型的モデルが主人公ドンの妻ベティ。
デキる男の妻という立場に満足しているのかと思えばそうじゃないようだし。

片や男性陣もみんな野心と嫉妬の塊みたいで、「えっ?そんなことに嫉妬を覚えるの?」と男性心理が垣間見えて面白い。
仕事と関係のない趣味の小説が認められた同僚をやっかみ、妻の立場を利用して自分の小説を出版社に売り込めと迫る自分を過大評価しているピート。
俺が俺が、という男たちの水面下でもがく姿が生々しくもあり、悲しくもあり、羨ましくもあります。

オープニングアニメの落ちる男の正体は?

最初に『マッドメン』を観たとき、テーマ曲とともにビルの谷間に真っ逆さまに落ちていく男が「なんかいや…」と思った私。
二度目で気づいたことは「この落ちていく男はたぶん主人公のドンだと思うけど、ドンだけじゃなさそう」と。
仕事も私生活も順調なドン、共同経営者にまで出世した彼に怖いものなんてないはずなのに「幸せ」をまったく感じさせないドン。
シーズン1の彼の最大のピンチは、弟が現れたこと。
なんとかピンチを切り抜けたと思ったら、弟の置き土産はあまりに重く心に突き刺さって。
それが彼が真っ逆さまに落ちていく予兆にさえ見えました。
そしてドンだけじゃなく、妻のベティ、ペギー、ピート、ロジャーなどなど、誰一人としてハッピーエンドが待っていると思えない…。
みんな真っ逆さまに落ちていくの?

シーズン最終話のコダックのプレゼンが素晴らしい!

シーズン1の最終13話で、ドンがコダックのスライドプロジェクターのネーミングや広告の方向性をプレゼンするのですが、これがとにかく素晴らしい!
ここだけ10回くらい観ました。
コンセプトは「ノスタルジア」(ドン曰くギリシャ語が語源で意味は古傷の痛み)。
彼の妻や子どもとの幸せな私生活の場面がスライドプロジェクターから次々と流れてきます。
スライドプロジェクターは「過去に旅をして、また引き返す。痛みを感じた場所にまた私たちを運んでいく」と。
このプレゼンでクライアントの心を鷲掴みしにし、ドンの部下は胸がいっぱいになり退室するほど。
ぜひぜひ観て欲しいエピソードです。

 
 
 
 
 
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(↑プレゼンで使用したドンのプライベート写真。madmen_amcより)

毎回変わる各エピソードのエンディング曲

エピソードのラストに流れる曲は毎回変わります。
そのエピソードの内容に合った歌詞は、いつもならすっ飛ばすクレジットを思わず最後まで見させる不思議な力があります。

吹き替えにも注目!

主人公のドンの吹き替えは山寺宏一さん、映画やアニメの吹き替えやタレントにと大活躍の声優さん。
ウィル・スミスやエディ・マーフィなど有名どころの俳優さんの吹き替えを多く担当しています。
『マッドメン』の吹き替えでは重厚な声がいかにもドンらしい。
最近観ているドラマ『ブラインドスポット』ではFBI特別捜査官のカートを担当。
最初このカートの声を聞いたとき「どっかでこの声聞いたことある」と思ったのですが、それがこのドンということにやっと気づきました。
あと、このドンを演じるジョン・ハムが出演している『グッド・オーメンズ』でも山寺さんが担当。
ドンとはうって変わって大天使ガブリエルの役。
グレーのスウェットでランニングをする大天使!ギャップがすごすぎて、今このタイミングでもう一度ガブリエルを観てみたい。

 
 
 
 
 
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(↑大天使ガブリエル。goodomensprime)

(↑プライム会員なら追加料金なしで視聴可能(30日間無料体験もあり)(2020.10.31現在))

ドンの不倫相手のメンケンズの社長レイチェルは田中敦子さん。
『エレメンタリー』ではシャーロック・ホームズの相棒ジョーンを担当。
仕事に生きるレイチェルのクールで美しいこと。
いつも冷静なのにドンのことになると、葛藤しつつも彼の魅力に負けてしまう彼女。
カッコいい女性の吹き替えが印象的な田中さんですが、レイチェルの仕事の顔と恋をしているときの差にクラクラしてしまいます。
ちなみにレイチェルの恋の相談に乗る姉の吹き替えは唐沢潤さんです。

ドンの秘書でコピーライターのペギーは小林沙苗さん。
『スコーピオン』のペイジや『ワンス・アポン・ア・タイム』の白雪姫など、たくさんの映画やドラマで吹き替えを担当。
いつも「歌うような声」だなぁと感じる透明感のある声。
仕事で結果を残したいペギーのがむしゃらな生き方に時々イラッとするのは彼女のいい子ちゃんキャラと小林さんの優等生声のせいもあるかも?

他にもどうにもいけ好かないピート役の石田彰さんに、お色気過剰なジョーン役の岡寛恵さん、『CSI:科学捜査班』の刑事ソフィアとは全然イメージの違ったドンの妻ベティ役の冬馬由美さん、迫力の美声が素敵なドンの上司ロジャー役の内田直哉さん、くせ者イメージのダック役の仲野裕さんが特に印象に残りました。

余談ですが、『ロマノフ家の末裔 〜それぞれの人生〜』の第3話「栄華の果てに」で狂った女性監督に翻弄される主人公の女優オリビア・ロジャースを演じているのがジョーン・ホールウェイを演じているクリスティーナ・ヘンドリックス。
その吹き替えはドンの妻ベティを吹き替えた冬馬由美さん。
顔がジョーン、声はベティ…不思議な感じです。

(↑オリビア・ロジャースを演じているクリスティーナ・ヘンドリックス。theromanoffsより)

最後に

特に理由もなく10年ぶりに観た『マッドメン』。
ようやくこのドラマの面白さがわかってきました。
自らの欲望にまっすぐ進もうとする登場人物たち。
秘密を抱えていたり、性別だったり、マイノリティだったりと、誰もが見えない足かせをつけて生きている現実。
華やかで幸せそうな裏側に、本人しかわからない葛藤があるのは1960年も2020年も同じ。
今とは違う価値観も、今も変わらない現実もようやくわかってきた今だから『マッドメン』が面白いと感じたんだと思います。
私も少しは成長したのかも。
同じように昔リタイアした人も今なら『マッドメン』が違って見えるかもしれません。

『主人公ドンは60年代の光源氏?マッドメンを観て気づいたこと』のレビューはこちら↓

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