井上倫宏さんが2022年2月28日食道がんのため死去
63歳という若さでお亡くなりになった俳優・声優の井上倫宏(いのうえ のりひろ)さん。
私は去年11月からドラマ版『リーサル・ウェポン』で井上さんの声を聞いていたので、勝手に最近まで元気というイメージでした。
なので訃報を聞いたときは信じられなくて…。
今回は私が今まで観たドラマで印象的だったキャラを紹介します。
ERの良心!マーク・グリーン
(↑真ん中がマーク・グリーン。wbtv_jpより)
ご長寿医療ドラマの先駆者ともいえる『ER緊急救命室』。
今から20年くらい前に観てました、途中まで…。
確かロマノがヘリのプロペラに巻き込まれて腕を切断したあたりで「ダメだ、心がしんどい…」となってリタイアした気が。
グリーン先生の最後も全然覚えてなくて、なんでもっとちゃんと観ておかなかったんだ!と自分を殴りたい気分。
どうやらグリーン先生は脳腫瘍で亡くなるんですね、若くして。
井上さんが吹き替える『ER』の前半の主人公ともいえるマーク・グリーンは優しくて誠実な医師。
同僚で友人のロス(ジョージ・クルーニー・小山力也)のイケメンや、ピーター・ベントン、新人のカーターなんかについつい目がいってしまい、グリーン先生は「いい人なんだけど…」という地味目な存在。
医師も看護師も個性的なERスタッフの中で、すごく真っ当な普通の家庭人に近かった印象が。
でも後半女性関係がにぎやかに…、ERのメンバーって家庭がうまくいかない人が多くて、異性関係が華やかな人多くない?
井上さんの他の吹き替えは、最初に印象に残ったこのグリーン先生のイメージを他のキャラでもそのまんま引きずってます。
でもこれは間違いじゃないと思う。
この後紹介するキャラもどこか大きい括り「温かい人柄」に当てはまるものが多いと思います。
そういえば、この『ER緊急救命室』を同時期に観ていた友だちが、「グリーン先生の娘レイチェルだから、『フレンズ』のレイチェル・グリーンとおんなじ!」と、すごい発見をしたかのように教えてくれたのが忘れられない思い出。
もちろん二人のレイチェル・グリーンは何も関係ないです。
息子を陰で支える古朝鮮の英雄!朱蒙の父ヘモス
(↑ヘモス(左)とチュモン。nanamun73より)
初代高句麗王・朱蒙(チュモン)の少年時代から建国までを描いた全81話の韓国の長編歴史ドラマ『朱蒙』。
ちゃんと観ました81話、長かった…。
井上さんは主人公チュモンの父で古朝鮮のカリスマ武将ヘモスを担当。
私、『朱蒙』で一番好きなキャラがこのヘモス。
チュモンはこのヘモスとハベク族長の娘ユファとの間に生まれた息子。
しかしヘモスを失ったユファは生きるため仇でもある扶余(プヨ)の王クムワの側室となり、チュモンも彼の元で育つことに。
チュモンは王クムワの実子の王子2人(テソとヨンポ)の下の王子として育つが、武芸も政治も興味がない放蕩息子に。
そして父クムワの怒りを買い宮殿を追放され、そこで実の父ヘモスと出会う、というわけ。
ヘモスは視力を失い幽閉されているのですが、武術はまったく衰えず、チュモンの師匠となって彼を鍛えます。
どこが盲目よ!と絶対ツッコミを入れたくなるヘモス身体のキレ!
へなちょこチュモンを鍛え上げるのですが、自分が実の父とはいわないところがまたカッコいい!
静かに息子を見守り、そして愛したユファとも後に再会できるわけですよ。
あ〜これでユファはクムワの側室から晴れてヘモスと共に新たに歩みだすのかと思ったら。
ヘモスはチュモンのポンコツ兄貴にヤられてしまうという悲劇が。
ヘモスの何がいいって、やっぱり演じるホ・ジュノ&井上倫宏ですよ。
ヘモスの静かだけど逆境でも失わない情熱、そしてユファとチュモンへの絶対的な愛。
長年幽閉されていても腐ることなく自分を保ち続けるあの姿勢。
長髪の銀髪がさらに迫力をプラスしてて本当にカッコいい。
そして井上さんの吹き替え!
グリーン先生とはまた全然タイプが違って、本物の男の強さを感じる吹き替えが聴けます。
長丁場のドラマが苦手という方、ヘモスが登場する12話まで頑張って観てみて。
ヘモスが命を落とした後、急激に逞しくなるチュモンが気になって残りの長丁場、乗り切れると思うので。
(↑ヘモス。naomi703nkより)
暴走部下のフォロー役!ドラマ版リーサル・ウェポンのブルックス・エイヴリー
(↑左からリッグス、エイヴリー、マータフ。lethalweaponfoxより)
メル・ギブソン主演の映画『リーサル・ウェポン』の設定そのままにドラマ化したのがドラマ版『リーサル・ウェポン』。
シーズン3まであり、1と2は主人公が映画と同じリッグス&マータフで、3はリッグスの代わりにコールが登場してマータフとコンビを組むという珍しい展開のドラマ。
(リッグス役のクレイン・クロフォードがもめたらしい)
井上さんは全シーズン通して登場するリッグス&マータフ&コールの上司ブルックス・エイヴリーを担当。
エイヴリーは部下のリッグスたちの常軌を逸した捜査に文句を言う係。
そしてお偉いさんにあれやこれや言い訳する大変な係。
毎回のように車や建物をぶっ壊す、何か爆発する、応援を待たない、そして死にそうになるリッグスたちに「お金がこれだけかかった!」などお小言を言いながらも、ここぞという時はちゃんと部下を守ってくれる素敵な上司エイブリー!
ほとんどデスクで仕事をしているエイブリーですが、たまに現場にでてきます。
いつもビシッとしたスーツ姿なので「本当に現場にでれんの?」と不安になるのですが、さすが元マータフの相棒!
やるときゃやるんですよ。
でもハラハラしてるのは私だけ?
暴れん坊な部下たちに翻弄されつつも、彼らの実力を信じ見守る頼れるボス・エイヴリー。
私の中の井上さんの遺作となったこのドラマ。
いつもの井上さんだったので、まさかこんなに早く逝ってしまうとは…。
本当に本当に残念です。
エイヴリーを演じるケヴィン・ラームは『デスパレートな妻たち』でウィステリア通りで暮らすゲイカップルのリー・マクダーモット(桐本拓哉)を演じていた俳優さん。
このドラマ版『リーサル・ウェポン』でもゲイ役だったのでてっきりそちら系かと思ったら違ってました。
先入観って怖い。
(↑たまに現場にでるエイヴリー。lethalweaponfoxより)
(↑デスパのケヴィン・ラーム(右)。desperatehousewivesofficialより)
リッグス/津田健次郎
マータフ/磯部勉
コール/津田英佑
ケイヒル/行成とあ
ドラマ版『リーサル・ウェポン』シーズン1&2のレビューはこちら↓
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ドラマ版『リーサル・ウェポン』シーズン3のレビューはこちら↓
リーサル・ウェポンとは1987年に公開されたメル・ギブソンとダニー・グローヴァー共演の映画『リーサル・ウェポン』。シリーズは4作品あり、ロス市警刑事のリッグスとマータフの凸凹コンビが活躍するアクション映画です。この映画をベースにした[…]
他にもこんなキャラクター吹き替えてます
私が今まで観たドラマ限定ですが、未視聴のものもあります。
トンイの国王スクチョン
(↑手前左がスクチョン、右がトンイ。so.fujimotoより)
低い身分の生まれながら、持ち前の頭の良さと誠実な人柄で国王スクチョンの側室となり、後に国王となる息子を産む女性トンイの波瀾万丈の人生を描いたドラマ『トンイ』。
井上さんはトンイの夫で李氏朝鮮の王・スクチョンを担当。
重々しくて威厳のある山路和弘さんが演じるような王と違った庶民寄りのハートフルな井上スクチョン。
特に王であることを隠していたときのトンイとのやりとりは、王とは思えぬ親しみやすさとかわいさ。
トンイが宮廷に入ってからは権力争いのドロドロに巻き込まれて、トンイもスクチョンも溌剌さがちょっと減るのは残念。
井上さんの声は、演じるチ・ジニの優しい雰囲気に合ってますよね。
ロイヤル・スキャンダルのチャールズ皇太子
(↑ダイアナとチャールズ※ドラマとは関係ありません。harpersbazaarjapanより)
確かNHKかBSプレミアムで観た『ロイヤル・スキャンダル 〜エリザベス女王の苦悩〜』。
タイトル通りイギリスのエリザベス女王の 年代別のお悩みをドラマ化したものですが、インタビューなどもあって半分ドキュメンタリーという作り。
私が一番印象に残ったのはやっぱりダイアナ妃とチャールズ皇太子の一連のスキャンダルに関すること。
そしてチャールズ皇太子の吹き替えを担当したのが井上さん。
チャールズ皇太子のイメージは、ダイアナに興味はなく結婚前も結婚後も愛人のカミラ夫人との関係を持ち続けるダメ男。
女王の苦悩がドラマの切り口になっているので、いくら息子といえどチャールズ皇太子は大きな苦悩のひとつ。
もちろんダイアナ妃も。
息子を全面的に庇うのかと思ったらそうでもない女王。(好感度上がる)
チャールズ皇太子も言い分はあるようですが、共感する人はいるんだろうか。
もし再放送の機会があれば是非!
女王を演じている女優も年代別に違うんですよ。
オールイン 運命の愛のユ・チョング
(↑スワイプするとユ・チョングでてきます。komikomi322より)
再びの井上さんが演じるホ・ジュノ登場!
それは韓国ドラマ『オールイン 運命の愛』のユ・チョング。
主人公イ・ビョンホン演じるキム・イナの刑務所&仕事仲間がユ・チョング。
あまりに昔に観たため記憶がかなり朧げな『オールイン 運命の愛』。
主人公を演じるイ・ビョンホンやその親友でライバルのチソンという男前にどうしても目が行きますが、ドラマを面白くするのはやっぱり脇を固めるホ・ジュノみたいな俳優。
どのドラマや映画で観てもホ・ジュノの存在感ってすごい。
キリング/17人の沈黙のレイ・スワード
(↑レイ・スワード。thekillingより)
『キリング/17人の沈黙』は過去の投稿「2020年海外ドラマ吹き替えキャラ個人的ベスト3!」にも登場した『キリング/26日間』の続編ドラマ。
メインのリンデンとホールダーは同じですが、扱う事件は別物です。
といいつつ、これはまだ未視聴のドラマ。
『キリング/26日間』がすごく面白かったので『17人の沈黙』も絶対観ます。
さて、井上さんはどうやらレイ・スワードというキャラを担当。
リンデンとホールダーの次に名前が上がっているので、この『17人の沈黙』の主要人物でしょう。
捜査に集中すると寝食を忘れるほど没頭する刑事のリンデン(林真里花)と相棒のホールダー(小松史法)。
リンデンは警察を辞め、ホールダーは変わらず事件を追う刑事。
立場の違う二人が事件にどう関わっていくのか、そして井上さんが担当するレイ・スワードとは一体何者なのか。
めっちゃ楽しみ!
お目当ては井上さんとホールダーの小松史法さん、あっリンデン役の林真里花さんも大好き。
と来たら絶対観なくては!
あの『キリング/26日間』の続編なのでストーリーも期待大です。
一部ですが、井上倫宏さんが声を演じたキャラクターを紹介しました。
まだまだ活躍するはずと勝手に思っていたのに63歳は早すぎます。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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