訪問ありがとうございます。海外ドラマの吹き替えで気になる声優さんと、演じた新旧交えたドラマのキャラクターを自分勝手に解説中!主役はもちろん、サブや1話限りの吹き替えなど、とにかく印象に残ったキャラを紹介。また、レビューや視聴中のドラマ紹介、ブログ運営にまつわることなども投稿しています。コメントはお気軽に!

暗い・寒い・おぞましい!ヴァルハラ連続殺人事件レビュー

ヴァルハラ連続殺人事件とは

(↑ruvgramより)

現在ネットフリックスで配信中の海外ドラマ『ヴァルハラ連続殺人事件』。(2023.01.28現在)

ある男の殺人事件を発端に、同一犯と思われる殺人が発生。
被害者の接点を探すうちにたどり着いたのは30年前に閉鎖された少年養護施設ヴァルハラ。
誰がなんのために殺したのか、そしてヴァルハラに隠された闇とは?

というアイスランド発のミステリードラマ。
北欧ものはいろいろ観ましたが、アイスランドのドラマは初めて。
しかも好物の連続殺人と聞いたら観るしかないでしょ、というわけでレビューの紹介です。
ちなみに吹き替え派ですが、この作品は字幕版のみです。
※少しだけネタバレあり

主な登場人物

警察関係

●カタ(カトリン)
アイスランドの首都レイキャビクの刑事。
息子のカーリと暮らすシングルマザー。
空きになっている刑事部長の座を狙っている。

(↑カタ。ruvgramより)

●アルナー
ノルウェー・オスロの刑事。
アイスランド出身だが今回の連続殺人事件の応援として国外から参加。
父と妹はアイスランド在住だが疎遠。

(↑アルナー。ruvgramより)

●マグヌス
警察本部長でカタの上司。
実子はいないが里親として何人もの子どもを育ててきた。
アルナーはそのうちの一人。

●ヘルガ
元麻薬取締課で新任の刑事部長。

●エアリンガー
IT担当。
やたらと専門用語を使い、回りくどい説明になるため結論を言えといわれる。

●フグリン
科学捜査班に所属。
カタとは友人。

●ホーコン
ボルガルネース警察の警官。
カタたちと捜査を行う。

●ピエトル
検事総長。
少年養護施設ヴァルハラの調査責任者。

家族関係

●カーリ
刑事カタの一人息子。
高校生になり問題行動を起こすようになる。

●エーギル
カタの元夫。
息子カーリの教育方針をめぐってカタとギクシャクする。

●ラウフェイ
宗教に依存するアルナーの妹で夫レイバーに逆らえない。

少年養護施設ヴァルハラの関係者

●ソー
元職員で元ヤクの売人。
港で刺殺体で発見される。(目を切られる)

●オマール
元職員で投資家。
自宅で刺され死亡。(目を切られる)

●ブリンニャ
元職員。
刺殺体がヴァルハラで発見される。(目を切られる)

●グドムンドル(グンミ)
元職員。
ヴァルハラの真相をマスコミに暴露しようとして殺される。

●トミ(トーマス)
入所していた少年。
失踪したと言われていたが30年後、白骨化した状態で発見される。

●ビダル
入所していた少年。
過去の虐待経験をテレビで告白。

●ベネディクト
入所していた少年。
ビダルと共にテレビに出演。

●ステイニ
入所していた少年。
トミの友だちで最近刑務所から出所してきた。

●アンドレス
入所していた少年で、現在は服役中。

その他

●ラグナー
殺されたオマールの息子。

●ファンナー
殺されたソーの息子。

●クリスチャン
白骨化した遺体トミの父。

●セルマ
テレビ局の記者、キャスター。

大まかなあらすじ

(↑BBC Trailersより)

アイスランド・レイキャビクの港で男の刺殺体が発見される。
その男の目はナイフで切られていた。
そして今度は投資家の男が自宅で刺されて死亡、彼も目を切られていた。
警察は同一犯と見て、被害者の接点を探るうち、被害者が持っていた集合写真から閉鎖された少年養護施設ヴァルハラの元職員だということが判明。
他の元職員の安否を確認しようとするが一人はヴァルハラで遺体で発見される。
その遺体も目が切られていた。

人員不足のため、応援としてノルウェー・オスロからアイスランド出身のアルナーが到着。
カタとアルナーは集合写真に映る施設にいた少年たちに話を聞こうと探し始める。
そして彼らから聞いたのはヴァルハラでの少年たちへの暴力と、月に数回やってくる男からのレイプというすさまじい虐待だった。
このヴァルハラの報告書を探し出したカタだが内容は事実とはほど遠いもので、誰かが隠蔽したと確信。

元職員たちに送られていた集合写真から指紋が検出され、それは元入所者のステイニと判明。
彼の行方を追っていたが、瀕死の状態で発見される。
そしてそこにはステイニの友だちで失踪したとされていたが白骨化した遺体で発見されたトミの父クリスチャンが。
息子の復讐のため、殺人を繰り返していたクリスチャンはカタの拳銃を奪って自殺。
無事事件は解決と思われたが、元職員のグドムンドルの遺体に違和感を感じたフグリンはアルナーに報告。
帰国予定のアルナーはマグヌスに報告、彼は再捜査を約束する。

その頃カタはトミの失踪事件の報告書に不審な点を発見、ホーコンとともに上司のマグヌスを捜査するよう検察に訴えるが却下される。
身動きがとれなくなったカタは、記者のセルマを使ってテレビに出演中のマグヌスを追求。
窮地に立ったマグヌスは黒幕に助けを求めるが…。

ヴァルハラ連続殺人事件の見どころ

(↑ninadewより)

北欧ものにも似たアイスランド・ノワール

画面が白、グレー、黒に近い藍色の3色構成。
晴れの日ほぼなし、曇り空に彩度の低い服装の人々。
内容も、殺人、虐待、レイプ、隠蔽、宗教、依存、歪んだ家族関係などなど人間の闇ばっかり集めたみたい。
だからこそグイグイ引き込まれるのかも。

カタとアルナーの関係

主人公のカタとアルナー、どちらも家族に問題を抱えていて、そこから逃げるように仕事にのめり込む二人。
男女のコンビだとありがちな恋愛関係に発展するの?と勘繰ってしまうけど、そこはご安心。(アルナーはゲイだった)
二人ともプロの刑事として適度な距離を保ちながら仕事に集中してるのがいい。
自分の抱える問題はじっと胸の奥底にしまって頑張る姿は、痛々しくもあるけど応援したくなる。
あっ、アルナーのツンと上がった鼻は若い頃のケビン・ベーコンみたい。

アイスランドの文化を垣間見る

私のアイスランドといえばビョーク。
あの唯一無二のシンガー・ビョークはこういう環境から生まれたのかとなぜか納得。
厳しい自然環境と小さな島国(北海道と四国をあわせたくらいの面積)で人口も約36万人とかなり少ない。
そんな小さな国で作られたドラマ、なめてました。
見応えはあるし、ストーリーも練られているし俳優も上手い。

そして北欧の影響を受けているのか家や家具など洗練されてる。
あと、知らなかったのがアイスランド人は苗字を使わないということ。
苗字らしきものはあっても日本とはちょっと仕組みが違うようで、父親の名前のあとにson(〜の息子)やdóttir(〜の娘)をつけたものが苗字となるらしい。
なのでドラマ内では苗字はほとんどでてこず、みんなファーストネームで呼び合う。
しかも英語圏の名前とはちょっと違っていて、独特の登場人物の名前が覚えられない!
なのでストーリーが一度で理解できず、2回観ました…。

(↑ドラマと関係ないけどビョークをどうぞ!bjorkより)

観終わった感想

初アイスランドドラマ。
ストーリーも俳優も先入観なしで観られるのはよかった。
主人公のカタの家族をないがしろにするほどの仕事への執念と、アルナーの父からの虐待や宗教依存の妹を忘れたいがための仕事への執念、どっちも重い&苦しい。
そんな重苦しさをちょっと軽くしてくれるのが、ボルガルネース警察の警官ホーコン。
いかにも田舎ののんびりお巡りさんかと思ったら、意外にもきっちり正義を貫こうとする頼れる男。
彼のお陰で事件が解決できたといっても過言ではないかも。
シリアスで重めのミステリーが好きな人はぜひ!
そしてアイスランドに興味を持った人もどうぞ。

(↑ホーコン(制服)とアルナー。ruvgramより)

『ヴァルハラ連続殺人事件』は字幕版のみですが、普段は吹き替え派の私。そんな吹き替え派の方へ、ドラマ名はわかるけど声優がわからない、そんなときは「ドラマ別吹き替え声優インデックス」へどうぞ!
※当ブログで今まで紹介したドラマと声優限定です。

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